2012年4月18日水曜日

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ゆみの帰国日記

ゆみの退院のご報告とお礼



6月2日(金)

既にゆみが退院して2週間が経過しました。
ゆみは結構沢山のミルクを飲んでくれますが、とにかくよく吐きます。現在は1回につき80cc〜100ccで一日6回の授乳です。1回につき飲ませるのに1時間、その後吐かないよう落ち着くまで1時間かかるので、1回あたりの授乳につき2時間もの時間を要します。それでも退院時7.6ポンド(約3470グラム)だった体重は現在9ポンド(約4090グラム)と一日30グラム以上も成長しているはとても良いことです。

一昨日からEarly Intervention (早期発育)のプログラムが始まりました。具体的には、週1回のペースで看護師に来てもらい簡単な運動やマッサージを行うことでからだの筋肉の発育程度を管理していくものです。未熟児の場合はどうしても成長が遅くなってしまうということもあり、できる限り早い段階から少しでも追いついていけるよう訓練する必要があります。

ゆみの抱えているいくつかの課題について書きます。まず眼は来週8日にテストがありますので、その結果次第です。前回までのテストでは両目ともステージ1から2で(4月17日参照)あったことと、現在酸素濃度はあまり高くないことから、目については大丈夫だと思っています。
肺については、供給する酸素濃度は随分少なくなってきているものの、まだ少なくとも2,3ヶ月は吸入器の使用を続けていく必要があるそうです。普段は大体安定していますが、食後のゲップに苦しんでいるときなどはとても変動するので、常に安定するようになるまで肺の成長を待ちます。
腸については、ゆみは少しひどいヘルニア(脱腸)です。これは来週7日に手術を予定しています。

耳については、一昨日に精密検査を受けました。結果から言うと、どうやら耳自体は問題ないものの、耳から脳への神経(もしくは脳)に問題があるそうです。これは音を聞くことはできるが、その音を脳に正しく伝えられない状況だそうです。前にも書いた通り感音性難聴(5月1日参照)と呼ばれるもので、ゆみの場合問題なのは音自体は聞こえているため補聴器が使えないことです。具体的には例えば子音が聞き取りにくいそうで、「言葉(KOTOBA)」とこちらが発してもゆみには母音のみの「おおあ(OOA)」としか伝わらないなどです。この状態に補聴器を使用しても、「おおあ」の音を大きくしてしまうだけで結 局解決できないのです。いろいろHPなどで調べてみたのですが、ゆみのような症状の感音性難聴については現在の医療技術では治療が難しいそうで、多くの場合手話などに頼らざるを得ないようです。ただ、1ヶ月前の耳の精密検査ではもっと悪く、まだ成長、発達の可能性があるということで様子を見ようかと思います。まぁ手話でも覚える手間はありますが通常の会話と同じように意思疎通はできるそうなので気にしていませんが。そdれでも耳が悪いことによる脳への障害と目の障害の程度(手話が見えなければ話にならない・・)が気になるところです。

難聴については、(



5月24日(水)

ゆみが退院して昨日で1週間が経過しました。

ゆみはよく飲みますが、よく吐きもします。あまりによく吐くので私たちは少し心配しているのですが、毎日のように測ってもらっている体重の推移を見ると順調ということで、食事については問題ないだろうと思っています。

さて、今日は2回目のかかりつけの小児科でした。先週金曜に1回目は、新生児が生後2ヶ月に行う通常の免疫注射についての確認で、今回は耳の検査です。退院前の耳の検査では、精密検査も含めて3回ともパスしていないので(5月1日参照)、それ以降発達しているかどうか気になっていたところでした。

ところが、簡易的ではあるものの、今日のテストでは両耳ともパスしました。今月末に再度精密検査を行うので、そこでもパスすればもしかし� ��ら補聴器など使う必要がなくなるかもしれません。1つの大きな良いニュースにとてもうれしく思います。

ただ1つ悪いニュースがあり、ゆみの下腹部はヘルニアに罹ってしまい、どうやら外科手術が必要になりそうなのです。来週に外科医に見てもらい判断してもらいますが、少しかたちが異常なので心配なところです。

次は明後日の看護師訪問。週2回の看護師訪問と、週1回のかかりつけ小児科医への通院、2週間に1回の眼もしくは耳の検査、外科医と退院してもゆみは(私たちも)大忙しです。24時間体制の管理もしばらく続きます。風邪など気をつけてがんばらないと。。



5月17日(水)

ゆみはとても安定しています。モニターがとても敏感なせいか、よく酸素濃度が下がりアラームが鳴るのですが、ほとんどは何もすることなくすぐに正常値に戻ります。監視カメラも使っているので、基本的にはゆみの傍にいなくとも、私は机に向かいながら、妻は家に仕事をしながらゆみを見ることが可能です。

それでも私は一睡もできなかったのですが、今日は2つの予約のある日。午後一番に早速最初の民間の介護サービスの方が来ました。ゆみの様態やどの程度授乳しているのか、またゆみの体重や身長、頭の周囲などを測っておしまいです。来週以降も週に2回のペースで来てくれて、ゆみが物理的に順調に成長しているかを見てくれます。

夕方には直接病院から派遣された介護サービスの人が来ました。可愛そうに、ゆ みはまた身ぐるみを剥がされ体重、身長を測られました。やっていることは民間の介護サービスと同じなので一体何のためにあるのか疑問に思いましたが、ゆみへのミルクやおもちゃをもらえたので良しとしましょう。また、順調に行けば7月上旬にも酸素吸入器が外れるということも言っていました。帰国時期に大きく影響するこの情報はとても助かります。



5月16日(火)

いよいよ退院の日。退院の時刻は14時からの授乳後ということになり、私たちは13時ごろ病院へ向かいました。天気は予報どおり雨です。どうせなら晴れて欲しかったのですが、まぁ何とかなるでしょう。

病院に着くと、担当の看護師シェリーは既に荷物の整理をして待っていました。ゆみはとても元気そうにしていて、シェリーにこの日のために買ってもらった花柄の服と花のリボンを頭につけて帰るのを(いや授乳か?)待っていました。ゆみの身の回りのものを片付けるとかなりの量で、服やタオルなどの身の回り用品の入った箱、ぬいぐるみや千羽鶴などの贈り物が入った箱などなどダンボール箱で3つもありました。とりあえず荷物を全て車に積んで、あとは今後のスケジュールの確認や注意事項を聞くのみです。

今 後の予定としては、まず明日に病院と民間の看護サービス会社からそれぞれ人が派遣されゆみの様子を伺いに来ます。明後日には早速かかりつけの小児科医のところで見てもらいます。そして、月末30日には耳の検査と発育の程度をチェックします。ロードアイランドにはDr.Voraという発育学では全米で3本の指に入るくらいすごい先生がいるそうです。どうすごいのかはわかったら書こうかと思います。更に来月8日には眼科医で目の検査です。とりあえず決まっている予定ではこんなところですが、何度もゆみを外に連れて行く必要があるので無事にこなせるか不安なところもあります。

そしてゆみの管理について一通りおさらいをした後(会計などの話は全く無く、後日メールで送られてくるようです)、いよいよ3 ヵ月半お世話になったシェリーやNICUとお別れです。シェリーには一生懸命書いたお礼の手紙と花をプレゼントしました。「私を泣かせる気?」などと言っていましたが、とても喜んでくれたようで何よりです。別れ際には沢山の看護師や医者が声をかけてくれました。シェリーは途中まで送りに来てくれて、最後は泣きながらお別れです。シェリーはいつもゆみのことを自分の娘と言ってくれ、本当に献身的に面倒を見てくれました。いつかゆみが大きくなったら、NICUのこと、シェリーのことを話そうと思います。またゆみには「お互い助け合う」という意味もこめています。将来ゆみがシェリーのように人のためになることをしてくれれば良いなと思っています。

さて、帰る頃はちょうど雨が大降りに振ってしまい一苦 労。ようやく家に帰り、いよいよ家族全員4人での生活が始まりです。Junはほとんど初めての妹との対面で照れていたのか、にやりとするばかりであまり近づこうとしません。それでもその日はとても興奮していたようで、ゆみのモニターが鳴るたびに真っ先に起きていました。ゆみは病院内では50cc/分の酸素吸入でしたが、家では興奮しているのかとても不安定だったので基本的に75cc/分にしています。授乳などはNICUと同じで4時間置きと決め、かなり規則正しい生活です。私たちも昼番、夜番とに分けてゆみの面倒を見ることにしました。



5月15日(月)

いよいよ明日はゆみの退院。

もうNICU内での訓練は終わったので、あとは明日沢山の書類にサインをして、今後の通院のスケジュールを調整して、無事ゆみを家に連れて帰るのみです。3ヶ月半の入院生活がようやく終わり、明日からは家族全員が一緒に暮らせるようになります。今までは病院に看病しに行くということで毎日必ず外出していたわけですが、明日からは逆に外出が難しくなりそうです。どのくらい大変かはまだ想像できませんが、ゆみの様態はかなり安定していること、昨年のJunのとき以上に私が家にいる時間が持てること、などから何とかやっていけると思っています。

最近のニュースは特にありませんが、一昨日ゆみは夜のミルク授乳後ほんの少し吐血しました。すぐ医者が来てくれ、ゆみのお腹に張りを感じレントゲンを取りました。結果は特に何もなしでしたが、この数週間風邪に悩まされた私としては、菌がゆみにも移ってしまったのではないかとかなり心配しました。

本当にお世話になったシェリーには花と結構頑張って書いた手紙を贈ろうと思っています。



5月12日(金)

ようやく私の体調も回復してきたので、日記を再開します。

ゆみはいよいよ来週の火曜日16日に退院が決まりました。当初、先日11日ということで話が進んでいたのですが、私の体調が良くなかったことと、いくつか看護師からの説明を聞いていないことがあったので遅らせることにしました。

ゆみの体重は既に3340グラム。Junが生まれた時の体重を超えていて、見た目にもかなり大きくなりました。食事は4時間おきに90ccものミルクを飲んでいます。薬も最終的にはZantacとビタミンの2つまで減らすことができました。薬はそれなりに高価なのですが、メディケイドに適用となったおかげで無料です。
心配している眼、耳、肺については、ここ10日間ほとんど変化はありません。眼は先日のテストでは同様にステージ1から2の間です。ただ、今まで2週間に1回のペースでしたが、今後は悪化する確率は低いということで1ヶ月に1回のペースになります。耳については、1日の日記に書いた通りで、今月末に再度行われるテストで障害の程度を確定させ、使用する補聴器を決めます。酸素濃度も相変わらず60cc/分のままですが、以前と比べて少し安定するようになった気がします。

最近はNICU内にある家族部屋でゆみと家族だけで長時間過ごす時間があります。先日は妻と妻のお母さんとで一晩中ゆみの面倒を見て、昨日は夕方から深夜まで私と妻でずっと面倒を見ていました。ゆみは食事の1時間くらい前になると お腹がすくようで、もぞもぞと起きては泣き出す場合が多いです。起きている間はモニターの数字が大きく変化したりします。大体すぐに戻るので、特に何かをする必要があるわけではないのですが、顔色を伺ったり、モニターの数字をじっと追っかけたりと少し緊張してしまいます。

あとは家でゆみを受け入れる準備を進めることです。先日業者から酸素ボンベ(大型1つ、携帯用2つ)が自宅に届きました。心拍数、血中酸素濃度、呼吸数などを測るモニターも同時にいただきました(保険適用なので無料です)。更には、Junがいたずらしないよう部屋を囲む檻、ベットから離れた状態でもゆみの状態(モニター)を見ることができるような無線カメラ、ゆみ用の新しいカーシート、ゆり椅子などなどを購入しました。もうす ぐ帰国を考える時期だというのに、周りには沢山のゆみのモノでいっぱいです。

写真:先日妻のお姉さんからいただいた千羽鶴を飾りました。いただいてすぐに退院が決まりましたよ!

写真:目を開けたゆみ。

写真:同じく目を開けてこちらを見つめるゆみ

写真:お風呂に入れているところ。



5月1日(月)

今日は13時からのミーティングに夫婦でマスク着用で参加してきました。

メインの話はゆみの耳の状態です。先週に2回のテストを別々の機械を用いて行ったそうですが、どちらも良い状態(Not ideal)ではありませんでした。その後、3月に感染したRSウィルスの影響によって鼓膜がまだ正常に機能していない可能性があるらしいということで、3度目として直接耳の内部器官に働きかけるようなテストを行いました。2時間半もの時間をかけたらしいのですが、結果は少しの改善が見られたものの、それでも基準値よりもかなり低いという結果でした。医者の説明では、恐らく中程度の難聴の疑いが強いということです。中程度は、通常の会話ではひそひそ声のようになり、ひそひそ声は聞こえないというようなレベルだそうです。詳しくは今後調べていこうかと思っています。

ただ、まだRSウィルスによる影響の可能性もあるということで、今月5月下旬にもう1度テストを受けて、そこで程度を確定させ、どの程度の補聴器 などを使用するか決めるということでした。難聴はその後の言語発達や表現能力に大きな影響を与えるので、確定的なのであれば早く補聴器などの対策を取る必要があります。

もう1点の話題は退院についてです。ゆみは現在100%の酸素を60cc/分必要としていますが、退院後もしばらくこのレートを維持していく必要がありそうです。来週水曜日に酸素吸入器の担当者から使い方についてのクラスに参加し、その後数回NICU内でゆみと一緒に私たちも訓練する必要があります。これが十分になってから退院ということなので、あと2週間程度はかかりそうです。ちなみにゆみが飛行機に乗れる時期についても聞いてみたところ、少なくともこの酸素吸入器が必要なくなるまで(医者の予想としては早くて3,4ヶ月)という� �とでした。

<医療用語等メモ>

※難聴
もっとも多く見られる聴力障害は、中耳炎やその後遺症に伴う後天的なもので「伝音性難聴」と呼ばれます。中耳炎になった新生児はかなりの高い確率で一時的な伝音性難聴(軽〜中程度)となりやすく、また時として恒久的なものとなります。 また、自己免疫疾患、毒性物質、ウィルス感染、大きな音などによって生じる外傷などによる聴力障害は、神経性や感音性の障害ということで「感音性難聴」と呼ばれます。ゆみはウィルス感染による影響であると見られているため、この難聴である可能性が高いようです。この感音性難聴の場合、運動発達の遅れや退行というかたちで表れる前庭障害があります。
治療については、伝音性難聴の場合、補聴器のほか手術による緩和もあります。感音性難聴の場合には主に補聴器が有効です。重度の両側難聴で補聴器では十分では無い場合、人工の耳を埋め込むという方法もあるそうです。
ゆみの場合、とりあえず5月末のテストでどの補聴器をつけるのか判断して、その後の有効性を見て、人工耳を埋め込むなどの方法を探っていくことになりそうです。

参考ホームページ






4月30日(日)

先週火曜日からの風邪は治っておらず、水曜日に予定していた退院クラスは来週の木曜日に延期となりました。月曜以来ゆみに会っていないのですが、どうやら昨年患った気管支炎に今回の風邪がきっかけとなり再びなってしまったようです。夜になると咳が止まらないのですが、まだ完全ではない妻子の状態と比べると明らかにひどいのです。昨年気管支炎に罹った際に貰った薬(Albuterol)が残っていたので、それで凌いでいます。ゆみと一緒の薬ですね。

今日1つ大きなニュースが入りました。ゆみが聴力検査にパスできなかったそうです。パスできない確率は大変低いので、恐らく何らかの障害が耳にあるのだろうと思います。今日の担当のシェリーは詳しく知らされていないようなので(電話で確認しました)、明日以降医者に� ��接聞いてみようと思います。
聴力は脳の発達、言語の発達と直接結びついた大変重要な機能です。少しの障害でパスできなかったのであれば、その影響も大きなものとならないかもしれませんが、難聴や完全に聞こえない状況となると言語にも大きな影響があります。まだ医者にも何も聞いていませんし、予備知識も無いのでとりあえず情報を集めてみることにします。ただ、先日クラシック音楽を流した際にはゆみは首を向けたので、全く聞こえないということは無いと思っています。

さて、明日は毎月恒例のミーティングがあります。夫婦共々風邪ということで、マスク着用でNICUの外の部屋でやることにしました。ゆみの耳の状態、酸素濃度の管理、退院に向けた準備の3点について詳しく聞こうと思っています。



4月25日(火)

今日は私が遂に風邪に倒れてしまったため、ゆみのお見舞いには行けませんでした。担当がシェリーなので、電話でゆみの様子を聞いてみたところ、2つのニュースがありました。

まず、昨日からゆみの呼吸器は更に簡易的なものに変わりました。今までは酸素濃度○%という数値で調節していたのが、今度は○ccと酸素注入量で調節します。(1分間の量でしょうか?シェリーに聞いてもわからなかったのでそのうち調べます。)。昨日の開始時点では100ccでした。これでも前の30%近辺の注入量よりも減っているそうですが、ゆみはとても安定していました。そして、今日は更に60ccまで減らしたそうです。それでも特に問題ないようなので、少し驚いてしまいました。これが25ccまで下がれば退院OKだそうです� �来週はじめには更に減らすと言っていたので、順調に行けば5月上旬には退院できそうです(目標の5月1日よりは遅れそうですが・・)。

退院後は24時間体勢で酸素吸入器モニターを監視する必要があります。Junもどんどん活発になってきているので、今後しばらく家庭がきちんと機能していくか不安。。。

もう1点は、昨日の眼の検査が出ました。前回と同じレベル1〜2(4月17日参照)でした。これから悪化する可能性は低いということで、何とか眼の方は安心できそうです(それでもしばらく酸素吸入器を使い続ける以上リスクはあるわけですが・・)。

あとは、昨日新生児用の人口呼吸(CRP)のクラスに夫婦で参加してきました。手順について大人の場合と大きな違いはありませんが、まだ首が据わってい ない場合の手の置き方や、人口呼吸の量(大人のように思いっきり息を注入させてしまうと大変です)、新生児の心臓マッサージのやり方、などについては少し注意が必要です。授業後には、シミュレーションとして、私が外出して妻が一人しかいない場合にきちんと911を呼べ適切な対応ができるなど話し合いました。

次は明日の退院に向けたクラスですが、私の様態が良くなるかどうか・・・。

写真:だんだんJunに似てきた気がします。

写真:力んだところ。炎でも吐くかと思った。

写真:食事中。この日は食事よりも寝たいようで・・。



4月20日(木)

今日のゆみも特に大きな変化はありません。

今日は看護師のシェリー(Sherry)について書きたいと思います。ゆみのお世話になっているNICUでは、赤ん坊によって専属の看護師がいる場合とそうでない場合があります。特定の未熟児の専属となるかどうかはそれぞれの看護師の判断に任されているようで、未熟児によっては専属の看護師が付かず、ほぼ毎日看護師が変わります。ゆみは運が良かったのか、シェリーが専属の看護師となり、基本的に平日昼の多くは彼女がゆみの面倒を見ています。専属の看護師の場合、一人の未熟児を長く見ているため医者以上に状況をわかっている場合があります。ゆみの場合も、シェリーが状況を判断し医者に許可をもらうということが多くありました。


で最も低い温度金魚何を生き残ることができるされてい

何よりゆみにとって良かったのは、シェリーがとても優しく、しっかりした看護師であるということです。いつもシェリーはゆみを自分の娘のように可愛い、ぬいぐるみなども沢山プレゼントしていました。ゆみをお風呂に入れればその写真を撮り、他の看護師にゆみの自慢をしていたりするところからも、どれだけ気遣ってもらえているかが伺えます。また、医療についてもかなり詳しいようで、私が事細かに聞く質問に対して、きちんと教えてくれます。他の看護師の場合、専門的なところを聞くと、あいまいな言葉ではぐらかされてしまう場合が多くありました。性格的にはっきりと物事を言う人なので、NICU内でもシェリーを好� �ている人とそうでいない人が分かれていることが私達にもわかってしまいます。もう3ヶ月の付き合いになるわけですが、私達はなるべくシェリーの担当の日には彼女の居る時間内にゆみを訪ねるようにしています。

まだ彼女と写した写真が一枚もないので、いつか了解をもらってここに載せたいと思います。

他には、先日ついにSSIの審査に通ったようで早速チェックが届きました。SSIに適用されたということは、公的医療保険でもあるMediCaidにも自動的に適用となるので、恐らく1億2千万円はかかるであろうと見られる医療費の心配がなくなりました。問題は、いつ支払いが終わって手続き上帰国できるかまだ不明なところです。

写真:今日からゆみのベットにCDプレイヤーをセットしてClassicを流すことにしました。

写真:早速取り付けたスピーカーに耳を向けるゆみ。

写真:食後。今日は15ccほど吐いてしまいました。



4月19日(水)

妻が風邪を引いてしまったので今日から数日は連続して私がお見舞いに行きます(通常は毎日Junとゆみの世話で交代)。

今日もまだ酸素濃度は安定せず。通常で30%ちょっと、ミルクを飲んでいる際は40%ちょっとまで上げる必要があります。薬を止めた先週水曜から良くなっているどころかむしろ悪くなっているようにも感じ、少し心配しています。

ただ、どうやら酸素吸引が常に必要な状況であっても退院は可能だそうで、担当の看護師(そういえば今まで担当のシェリーについて書いたことがありませんね。明日にでも書きます。)の目標としてはもともとの出産予定日であった5月3日より少し早い5月1日には退院させたいと考えているそうです。先週からほとんど変化がないのに突然退院の話が出てきたことにかな り驚いたのですが、肺と目の問題以外大丈夫ということであれば退院しても何とかなるのでしょう。目は1,2週間に一度検査を受ける必要があるのでその度に病院に来る必要がありますし、肺については、きちんと使い方を教わった上で酸素注入機を購入して、常に見張っていられる状態であれば家でも大丈夫なのでしょう。というわけで、シェリーは医者にこれから相談するようですが、彼女の目標としては5月1日退院になりました。(個人的には退院は嬉しいのですが、本当に家できちんと管理できるのか、また緊急事態にきちんと対応できるのか、などなど不安もあり、本当に安全と判断されるまでは病院に居て欲しいのですが・・。)

来週はいつもに増して夫婦共々大忙しになります。まず24日の月曜には、赤ん坊用の CPR(人工呼吸)クラスを受講する必要があります。そして、26日水曜には退院に向けての授業(Discharge Class)が午後からあります。更にゆみの肺がもう少し成長した場合ですが、29、30日の土日にはNICUの側にあるファミリールームというところでゆみと一緒に寝泊りして、一緒に暮らしても平気かどうか見ます。また、酸素注入機の使い方についても授業を受ける必要があるそうです。

私のブラウン大学の方の授業は5月3日に全て終わり(論文は残っていますが)、火・木午後のMITの授業を除いて基本的に家にずっと滞在することが可能になります。更に27日(木)からは妻のお母さんが20日も来ていただけるので、何とかゆみを受け入れる体制は作れるだろうと思っています。部屋もベットの配置など大幅に模様替えしないといけません。しばらく忙しい日々が続きそうですが、何とかがんばりたいものです。



4月17日(月)

相変わらずゆみの呼吸は安定しません。

いくつかの薬を止めてから明日でほぼ一週間ですが、肺の発達についてはあまり目覚しい成長は見られません。母乳を飲んでいる間は酸素濃度を40%近くにあげる必要があり、目標の21%まではまだまだという感じです。それでも体重は既に2395グラムと予想以上に伸びているので、きっと肺も少しずつ成長しているんだろうと思います。

あともう1つ心配なのが目です。先週の目の検査で、両方の目がステージ1からステージ2近くまで悪化しているという結果がでました。詳しくは下に書きますが、現在は特に治療などする必要はないものの、ステージ3になってしまった場合はレーザーなどの手術が必要になるそうです。肺の成長が遅ければ、それだけ長い間高� ��度の酸素を吸い続けることになるので目の成長の悪化が心配されます。ここを超えれば退院も近いというところなので順調に成長していくことを願っています。

<医療用語等メモ>

※目の検査(未熟児網膜症)
2月1日の補足となります。未熟児は網膜の端まで血管が行き渡っていないのですが、過剰な酸素供給やビタミンEの不足などにより血管が正常に発達せず、異常に繊維が増殖してしまうケースがあります。これがひどくなると眼球の後半部が後ろに引っ張られ、網膜が剥がれてしまう網膜剥離を起こすことで失明につながります。因みに下記のHPの1つによると、1990年に出生した超未熟児(1000グラム以下)の6歳時点での全国調査(日本)で、網膜症による両眼失明の頻度は2.2%だそうです。
網膜症(Retinopathy)の重症度は、血管の変化の酷さによって段階的に判断されます。現在のゆみは両眼ともステージ2に近いところです。

<血管の進行の程度>
 ステージ1 反応性の血管が造成される。(繊維の増殖が起こる)。治療の必要なし。
 ステージ2 無血管域との間に境界線が形成される。治療の必要なし。
 ステージ3 ガラス体内部への血管造成や出血が起こる。これ以上酷くなる場合手術 が必要となることが多い。
 ステージ4 部分的網膜剥離(黄斑という部位がまだ剥離していないかどうかで、更にステージ4Aと4Bとに分かれる。黄斑も剥離してしまっている4Bの場合には直ぐに手術が必要。)
 ステージ5 完全網膜剥離

参考ホームページ



4月13日(木)

今日のゆみの体重は2180グラム。予想以上に早い伸びで、体重に関しては全く問題なしです。今日は1回の食事につき60ccも飲みました。

更に予定通り、薬の量が減らされ、現在は前の半分の5つまで減りました。現在使用しているのは以下の5つです。

 1.Zantac  --- 他に薬による胃酸分泌の過多による副作用を緩和させます。
 2. PVSFE --- ビタミンと鉄
 3. Albuterol --- 吸引式ステロイド喘息治療剤
 4. QVAR --- 吸引式ステロイド喘息治療剤
 5. MCT --- 母乳に混ぜるオイル

減らした影響もあってか、今日のゆみの血中酸素濃度はとても不安定。急降下したかと思えばすぐに戻ったりして、食事を終えるのに1時間近くもかかってしまいました。途中医者も様子を見ていたので、薬を減らした状態で続けられるかはもう少し様子を見る必要がありそうです。

また、今日は新しく買ったモバイル(音楽が流れながら動物の人形が回るおもちゃ)をゆみのかごに取り付けました(写真参照)。思ったよりゆみの顔に接近してしまって、動物たちが圧迫的に感じられそうだったので取り付け位置に一苦労。喜んでくれるといいけど。。

写真:おなかいっぱいになるとすぐ寝てしまいます。

写真:今日取り付けたおもちゃ。ベットが随分賑やかになってきました。



4月11日(火)

昨日に、月例ミーティングがありました。毎月担当の医療チームが替わるので、顔合わせとゆみの現在の状況、今後の注意点などの情報伝達という役割を果たしています。

まず話に出たのが薬の話。3月27日にも書いたように、現在ゆみは10の薬を投与されています。まずはこれらを減らせていけるかどうかが課題です。医者の話では、今日明日にでも、まず3.Aldactoneと4.Diurilの2つの利尿剤を止めるそうです。この2つの薬を止めることで同時に、5.NAKLと10.KCLの2つの栄養剤の投与も止めることができるそうです。というのは、利尿を促す薬の影響で体内の栄養分が過度に排出されてしまっているからです。
更に数日後には、呼吸を安定させるための薬である2.Caffeineも止めると言っていました。更に来週以降、様子を見て安定しているようであれば、7.Albuterolと8.QVARのステロイド喘息治療剤も止めます。もし順調にここまで減らすことができれば、残りは1.Zantac、6.PVSFE、9.MCTの3つのみです。ZantacとPVSFEは退院以降もしばらく続ける必要があるそうで、またMCTは母乳に混ぜる栄養剤で退院後は特に必要なくなるそうです。この残り3つという状況までいくことが今月の、退院前の目標です。(ただし、一旦止めてから呼吸が安定しなくなるケースもあるそうなので、また戻らないよう注意する必要があるとのこと。)

次の話は、脳、肺、目について。
ゆみの脳は誕生以降出血などの問題は無いので、特に触れることはありませんでした。 肺は、通常36週に入るころ未熟児の肺は完成するそうで、少し成長の遅いゆみの肺を心配していました。今までPDAによる手術(2月13日参照)や先月のカビやRSウィルスによる影響など沢山問題を抱えていたので、仕方ないかもしれませんね。退院後もしばらく酸素吸引機による呼吸を続ける可能性が高いことを言われました。
あと目について、ゆみの目は現在かなり浮腫んでいるのですが、これは上に書いた利尿剤の影響でたんぱく質まで排出されてしまうことによる影響だそうです。
その他の問題については、退院後通院して発達過程を見ていくそうです。

最後に妻が退院できると判断できる基準を聞いたところ、食事と酸素濃度の2点を言われました。ゆみの食欲はとても旺盛で、毎回あっと言う間に母乳を飲み干してしまいます(食べることが好きなのは親に似たのか・・)。その間よく呼吸を忘れてしまうのは問題ですが、食事についてはとても順調のようです。酸素濃度は、まだまだ不安定なのです。現時はランク1の呼吸器(4月8日にランク2からランク1へまた1つ下がり、一番軽いものになりました)を使用していて、毎分2リットルの酸素が注入されているそうです。これが毎分250cc程度になる必要があるとのことでした。

いろいろと退院までの道筋が具体的に見えてきました。医療� �払いの手続きや退院後の対応、家庭での受け入れ準備などなどいろいろ細かいやるべきことがありますが、1つ1つこなしていこうと思います。



4月9日(日)

毎日ゆみに母乳をうまく与える特訓です。

ゆみは早く息継ぎを忘れないように飲めるようになる必要があり、また私たち両親はゆみが息継ぎを忘れたら休ませてあげ、またこまめにゲップをさせ、うまく母乳を飲ませるようにできる必要があります。これが思った以上に大変で、わずか40ccの母乳を飲むのに時には1時間もかかったりします。それでも全部ちゃんと飲んでくれれば良くて、だらだらこぼしてしまったり、吐いたりすることがあります。

インキュベーターから出てもうすぐ1週間ですが、ゆみはとても安定しているのでもう逆戻りすることはなさそうです。酸素濃度も、ゆみが寝ているなど落ち着いているときは通常の空気と同じ21%程度でもほぼ問題なくなりました。まだ、母乳を飲んでいるときなどは呼吸 量が減ってしまうので、35%にしていますけど。また、幾分か薬に頼っているところもあるので、これを減らしたときにどうなるかは1つの懸念どころです。

体重は今日で2060グラム。肺はまだまだですが、からだはどんどん大きくなってきています。明日はようやく月例のミーティングですが、現在のゆみの状況に加えて、退院の時期やその後の対応などの話になりそうです。

写真:最近のゆみ。元気そうで何より。

写真:ゆみの最初のお風呂。



4月4日(火)

今日のRSウィルスの陰性結果を受けて、ゆみは遂にインキュベーターを出ることができました。カビとウィルスを克服して、ようやく通常の未熟児の部屋に戻れました。

ゆみはまだランク2の呼吸器は使用しているものの、体温調節は自分でもうできるだろうということで、かごのようなケースに移されました。下に写真を掲載していますが、最近のいろいろな変化に担当の看護師は少し不安らしく(私も毎日のようにくる良い変化に少し不安を覚えます)、ゆみが暖かくいられるようブランケットで念入りにぐるぐる巻きにしています。

通常、インキュベーターから出たばかりの未熟児は、突然の外気に体温調節機能が狂ってしまいまたインキュベーターに戻るケースがままあるそうです。ゆみはまだ初日なのでわかりませんが、� ��のまま順調にいってもらいたいものです。

今後はゆみの様子を見ながら退院の時期を見計らっていくことになります。今日看護師に言われた今後のゆみ(及び私たち)の目標事項としては、

1.現在の呼吸器の酸素濃度26%−32%が通常の空気21%くらいまで下げることができれば、呼吸器をランク1にするか外すことができます。
2.現在1日に2回、哺乳瓶を使って直接母乳を飲んでいますが、ゆみはすぐに息をすることを忘れてしまいます(血中酸素濃度が突然急落します)。きちんと息をしながら母乳が飲めるようになるまで訓練が必要です。
3.同時に、私たち両親が面倒を見られるようになる訓練も必要だそうです。毎日必ず決まった時間(18時か22時)に病院に行って、母乳をあげることやオムツ取替え、体温測定などなど身の回りのことを一通りできるようになる必要があります。
4.現在栄養剤も含めて10の薬(3月27日参照)をゆみは服用しています。この数が退院までにどこまで減らせるか。少なくともいくつかはしばらく続ける必要があるそうです。

今日は他にも、未熟児用の服、サニタイザー(家で用いる専用の殺菌用石鹸)、大きなブランケット、ゆみに聞かせる音楽を買うように言われました。ゆみの状態が一気に良くなってきているので、突然親としてもやることが増えました。今月は忙しくなりそうですが、がんばろう!

写真:今日からゆみの寝床となるかご。普通に外気にずっと触れているので、しばらくはちょっと不安です。

写真:このようにぐるぐる巻きにして、暖かくしています。



4月2日(日)

早いものでもう4月です。
ゆみの状態は特に変化なく安定しています。ただ、まだ肺の発達が十分ではないらしく、血中酸素濃度の値が上限を上回ったり下限を下回ったりとふらふらしています。

3月24日にカビ(カンジダ・アルビカンス)は完全に陰性という結果が出ましたが、RSウィルスについてはまだ注意が必要です。先日受けたテストでは陰性で、来週火曜、水曜にも2度テストをして両方とも陰性であれば、通常の部屋に移って現在のようなマスク、手袋、ガウンなどの装着は必要なくなるそうです。現在NICU内にはゆみを含めて2名隔離された子がいますが、両者ともテスト結果は陰性だったので、ようやくNICU内からRSウィルスを退治できそうな予感です。

あと先日も書きましたが、29日から直接哺乳瓶から母乳を与えています。1つ1つ進歩 しているのは喜ばしいのですが、これが思った以上に大変だそうで、ゆみは直ぐに息をするのを忘れてしまい血中の酸素濃度が著しく低下することが時にあるそうです。しばらくは看護師からの哺乳瓶を使って母乳を飲む訓練が続きそうです。

写真:このように包んでいると赤ん坊は体内にいるような格好になり落ち着くそうです。

写真:看護師から直接哺乳瓶で母乳をもらっているところ。一瓶をわずか15分くらいで飲んでしまうなどゆみはとてもよく飲むそうです。



3月30日(木)

28日でゆみは生後2ヶ月になりました。この2ヶ月いろいろなことがありましたが、今現在とても元気でいることがとても嬉しく思います。

ここ数日のニュースについて書くと、まず今週の月曜日に受けた定期的な眼底検査の結果が出ました。詳しいことは調べていませんが、検査結果は0ランク〜3ランクまでの4段階で示されるようで、ランク3と診断されると手術が必要となるそうです。ゆみは右目がランク1で左目が限りなくランク0に近いランク1ということでした。具体的にどういう状況なのかはわかりませんが、ある程度大きくなってきているので今後悪化する可能性はとても低いそうです。

あとは生後2ヶ月ということで、ジフテリア、破傷風、百日咳の3種混合、B型肝炎、ポリオの予防接種も受けました。予� �接種については受ける時期について日米で大きく異なっているので、どのワクチンをどの量受けたのかをきちんと把握して、帰国後の引継ぎに注意する必要があります。

もう1つの出来事としては、Yale大学の研究のためにゆみのDNAを提供しました。研究のテーマは脳内出血についてDNA間での比較をするものです。ゆみは幸いにも脳内出血はありませんでしたが、将来の新生児医療について少しでも貢献できればと思いDNAを提供しました(DNAの提供といっても、小さなブラシのようなもので頬の中を左右10回ずつ擦るだけでした)。実はこれ以外にも生後間もなく、ブラウン大学によるデキサメタゾンに代わる新薬の効果についての研究にも協力をしていたので、今回で2つの研究に貢献したことになります。どちらについても事前� ��どういった研究で、どの程度リスクがあるのかなど詳細に教えてくれましたが、問題はその研究成果がいつどのような媒体で公表されるかは全くの未定ということです。どうせならそういったところまでフォローしてもらえると(公表の場合必ずその研究成果を送ってくれるなど)、具体的にゆみの貢献がどのようなかたちで実を結んだかわかるので嬉しいのですが。

あと、一体ゆみがいつ退院できるのかを担当の看護師に聞いてみました。まだインキュベータからも出てなく、ランク2(High Humidified Nasal Cannula(※))の呼吸器に頼っている状況なので判断するのが難しいそうですが、恐らく4月中旬にはインキュベータから出て最も軽い呼吸器(Regular Nasal Cannula(※))に移り、もともとの出産予定日である5月3日前後には退院できるだろうと言うことでした。まだかなり不確実性も高いそうですが、それでもここまである程度先が見えるようになったのも最近のゆみがそれだけ順調であることの証でもあります。

最後のニュースとして、昨日29日に初めて直接哺乳瓶から母乳を飲ませることに成功したそうです。今まで胃に直接流し込んでいたため、直接母乳を使ったあとに少し問題が起きることはとても多いそうですが、ゆみの場合は何事もなく一瓶飲んだそうです。1回に飲む量(28cc×8回/日)もどんどん増えているようなので、供給が間に合うか不安になってきました。

さて、来週はまた月が変わったということで新しい医療チームによる毎月恒例のミー ティングがあります(2月10日、3月13日参照)。退院の時期やその後の対応、また後遺症についてなどをいろいろ質問しようかと思っています。

<医療用語等メモ>

※呼吸器のランク
3月24日にも触れましたが、お世話になっているWomen&Infants病院では新生児医療に用いられる呼吸器には4段階あるそうです(一般的かどうかは知りません)。

○ランク4(最重度)
 高頻度振動型人工呼吸器(High Frequency Oscillatory Ventilation)
 ・・・詳しい説明は3月6日参照
○ランク3
 持続抑圧型人工呼吸器(Continuous Positive Airway Pressure:CPAP)
 ・・・チューブを経由して鼻から加圧された空気を送ることで、気道を広げるように保ちます。
○ランク2
 高湿度鼻カヌーラ(High Humidified Nasal Cannula)
 ・・・現在ゆみが使用している呼吸器です。ランク3よりも低濃度、低血流で酸素を投与できる場合に使用されます。ランク1の通常のカヌーラと比較して湿度を高く保つことができる。Women&Infants病院ではゆみが初めての導入らしく、試験的な意味もあるそうです。
○ランク1
 鼻カヌーラ(Regular Nasal Cannula)
 ・・・通常はランク3の次はこれを使用していたそうです。ランク3までとは異なり肺にまでチューブを入れず、鼻に少し入れる程度なのでからだへの負担も少ない。


どこiswesterly r.i


3月27日(月)

今日は社会保障庁にて、SSI(Social Security Income:詳しくは2月15日参照)の申請の面接です。予定通りに始まって、基本的にゆみの状況を中心に1時間程度いろいろな質問を受けました。担当の方はとても丁寧でしっかりしていて信頼できそう(つまり事務手続きミスとかしなそう)。

そして面接の最後に、親が我々のような学生で一時的な滞在の場合であっても子は恩恵を受けられるのかと質問をしたところ、ゆみのケースは出生時からDisabilityの項目に入るので、そこを重視してSSIは認められるだろうということでした。大きな懸念事項が1つ解決です。ゆみの場合わずか18グラム差で出生とともにDisabilityの適用となりましたが、これが逆に良いこととなりました。

もし、これが例えば920グラムくらいで生まれた子の場合、医療費は同じ程度かかるのにDisabilityと 認められず通常のルートで審査を受ける必要があるわけですが、ちゃんと認められているのか不安です。更にどこかで線引きを引くわけですが、それがちゃんと医療費負担が重くならないような程度のところにあるのかどうかもかなり不安です。ともあれ、ゆみのケースはまず問題なく認められるということで、まだ税金のことや帰国のタイミングとのことなど問題がありますが、少なくとも破産することはなさそうです。

さて、今日のゆみは特に大きな変化はなく、安定している状態が続きます。今日はふと現在ゆみの取っている薬について気になり一通り聞いてみたところ、サプリメント的なものも含めてまだ10もの薬を取っていました。以下はその一覧です。

 1.Zantac  --- 他に薬による胃酸分泌の過多による副作用を緩和させます。
 2.Caffeine  --- 呼吸の頻度を安定させるための薬。カフェインです。
 3.Aldactone --- 腎臓の働きをよくして利尿を促すそうです。
 4. Diuril  --- クロロサイアザイド治療剤という利尿剤。
 5. NACL --- 栄養剤
 6. PVSFE --- ビタミンと鉄
 7. Albuterol --- 吸引式ステロイド喘息治療剤
 8. QVAR --- 吸引式ステロイド喘息治療剤
 9. MCT --- 母乳に混ぜるオイルと言っていました。
 10. KCL --- 栄養剤

こうして一覧としてみると、7.8.の呼吸関係以外はあまり副作用の強いものはなさそうです。栄養は基本的には母乳だけですが、足りない分などは栄養剤などで補っている感じです。

現在のゆみの酸素濃度は大体25〜30%。通常の空気が21%程度なので、もう少し成長すれば酸素吸引も行わなくても済みそう。また、今日の体重は1700グラムでした。

最後に淳之介について書くと、今日久しぶり(3ヶ月ぶり)の健診でした。いつもの健診に加えて各種免疫の注射や血液テストなど盛りだくさん。体重が著しく軽いこと以外は大きな問題はなさそうですが、ちょっと痩せすぎかもしれません・・。

写真:私が頭を撫でているところ。一生懸命目を開けようとしてました。

写真:看護師間での引き継ぎの際に使われたメモ。ゆみが今までの状況で重要なところが全て書かれてます。



3月24日(金)

昨日から呼吸器のランクが1つ上がりました。具体的に調べていないのですが、どうやらゆみのお世話になっているNICUには4段階の呼吸器があるそうです。ゆみは一時期一番重度の肺疾患に用いられる高頻度振動型人工呼吸器(3月6日参照)を経て、CPAPと呼ばれる2つ目のランクの呼吸器をずっと使用していました。昨日になって更に1つ進歩して、あまり強い圧力をかけない呼吸器(名前忘れました)になりました。うまくいけば2週間くらいで更に1つ進歩して、ほとんど機械では圧力をかけない呼吸器へ移行できるそうです。

更に、3月7日より使用していた真菌感染症対策の薬アンフォテリシンBの投与も終了したということで、これは完全にカビを克服したということです。まだRSウイルスは潜在している可能性があるので� �あと2週間は別室で集中管理された生活ですが、鼻や口から出ていた膿の量は日に日に減ってきているので、かなり楽観できそうです。今日は30分ほどゆみを抱いていましたが、以前に比べてとても力強く動いていたので、親からみても大丈夫だろうと思います。

現在母乳は1回につき25ccで日に8回機械により注入されていますが、呼吸器のランクがもう1つ上がれば哺乳瓶を使用することもできるようになります。

写真:レントゲン写真。ずいぶん前のものですが、少しところどころ白いもやがあるそうです。

写真:私のひざの上で寝ているゆみ。

写真:拡大。

写真:新しい呼吸器。右側の下にある機械です。



3月23日(木)

久しぶりの更新となりました。
最近のゆみはとても調子が良く、医者を含め皆を驚かせています。
しかしまだカビとウイルスが潜在している可能性があるので、会うときには完全防備です。またJun病院に連れていくことができないので、毎日妻と交代で会いに行っています。

さて、今日は医療費について書こうと思います。
ゆみは学部の友人からは「ミリオンダラーベイビー」と呼ばれており、退院までに少なくとも1億から1億5000万円は医療費がかかります。大学で加入している保険は上限が約5000万円のため、それを超えた範囲について何とかしなくてはいけません。2月21日の日記にも書きましたが、当初4つの計画がありました。

1. 州政府の保険(RiteCare)への加入
2. 連邦政府の保険(MediCaid)ヘの加入
3. 新たな民間保険会社への加入
4. 日本の共済保険の高額医療制度を利用

1.は早々に親のVISAのステータスが一時的滞在なものであるため、一応申請はしてあるものの、ほぼ99%無理ということを聞きました(1%は何かの間違いで可能性があるかもとか)。3.は、既に5000万円もの医療支払いがわかっているのに加入させてくれる保険会社があるわけありません。そしてかなり頼りにしていた日本政府ですが、今日問い合わせてみたところ、結局日本の基準でしか支払えないため、上限は精々500万程度。更に日本では認可されていない薬や手術などの費用は認められないため、ほとんど出ないに等しいくらいということがわかりました。残された選択股は2.のみ。

来週月曜は社会保険庁にて2.の面接です。本来であれば、2ポンド以下で生 まれたゆみは重度未熟児ということでHIVやダウン症と並んで即認められるケースです。しかし、米国の医療制度は基本的に米国市民に対してのもの。私たちのような税法上非居住者に対して、いくら子が米国市民とは言え保障してくれるとか限りません。実際、子が米国市民で親が居住者のケースはかなり裁量に任されているそうで、最近は認可されるケースが減少してきているそうです。(居住者で5年以上滞在している場合はかなり認められるそうですが。)。居住者でもない私たちは更に状況が悪いように思えます。

もし2.がだめだった場合、破産するしかありません。いろいろと調べてみると、米国内での高額医療による破産は全体の半分を占めているそうで、普通の中流階級の米国人がたまたま高額な医療費を必要と する病気にかかってしまったために破産するケースがほとんどだそうです。私たちもかなり同じ状況になる可能性が高くなってきました。

5. 破産宣言、手続きをして日本に帰る

という選択股を加える必要がありそうです。破産手続きをして帰国することは法的に何も問題なく、精々私のなけなしの財産を没収されるくらいです(車くらいか・・)。そもそもあるHPによると、「米国では破産を"リフレッシュ・スタート"と呼び、再出発の手段とみなしている」のだとか。破産した場合に、米国内に留まるのであればある程度の期間、信用関係で何らかの制約が課されるのは間違いないでしょう。しかし、破産手続きをして帰国した場合日本での制約は何もありません。一見モラルハザードにも見えますが、日本と米国の制� ��の狭間の問題を、法的に正しい方法で解決するにはこれしか無いようにも思えます。

6. 募金活動

他にもこの方法もありそうです。通常米国で心臓移植などの高額医療を受ける場合、日本で募金活動をするケースが多くあります。かなり大変そうですが、可能性としてはありうる選択股です。

とりあえず、2.の審査結果が出るのは少なくとも3ヶ月先。その頃にはゆみは手元にいるはずです。米国の税金を使わせてもらって直ぐ帰国するのか、それとも破産手続きだけして帰国するのか、どちらにしても後味悪いことになりそうです(募金活動しているかもしれませんよ。)。国費で留学して破産して帰る人はいないでしょうねぇ。。

参考ホームページ



3月18日(土)

早速昨日いただいた千羽鶴をゆみに届けに行きました。NICU内に置かせてもらえるか少し心配だったのですが、看護師の方々はとても気にいってくれたようで、喜んでゆみの傍にかけてもらうことができました。「折り紙」という言葉を使っていて、こちらでも知られているんだなぁと思いました。下にその写真を掲載します。

今日のゆみは昨日とほぼ変わらず。時に微熱が出るときがあるものの、大きく症状が変わることは無かったそうです。ただ、あまりおしゃぶりをくわえさせてもらえなかったのか、口の周りが乾燥していて辛そうで、一生懸命目を開けていました(看護師が目を開けているのは口が乾燥しているためだろうと言っていました)。私たちは水で塗らした布をゆみの口に当てたり、おしゃぶりを沢山くわえさせたりし たところ、ゆみは眠くなってきたようでそのまま寝てしまいました。

とりあえず元気そうでなによりです。

写真:ゆみを見つめる妻。

写真:今日のゆみ。とても小さいおしゃぶりなのに、ゆみがくわえると大きく見えます。

写真:早速、インキュベータに掛けてもらった千羽鶴。

写真:千羽鶴拡大。



3月17日(金)

先日からRSウイルスに罹ってしまったものの、ゆみの様態は予想に反して悪くなっていないようです。鼻や口からは、白や黄色の膿を出したり、時に微熱(38度程度)があるものの、比較的体調、呼吸状態は安定しているそうです。

ただ、今朝の血液ガス(酸素、炭酸ガス、PH、温度)で著しく悪い結果(うまく血中の何かが作れない)が出てしまったようで、場合によっては今後少しの間輸血をする必要があると言われました。輸血にはアレルギー反応や、感染症などの問題があることを念のためということで医者から伝えられましたが、大人とは違う、未熟児ゆえの輸血の危険性などあるのでしょうか。そもそも何故血中のその物質が作られないのかが問題なので、輸血で治るかどうかはわからないそうです。

あとは14日の� �のレントゲンを見せてもらいました。肺のところどころに白いもやもやがあるのですが、「Not too bad」と言っていました。どの程度悪いのかはいまいちわかりませんが、少なくとも現時点では危険な状態ではないと思います。

今日の体重は1450グラム。一時期1570グラムありましたが、利尿薬がよく効いているということもあって最近は減少気味です。現在、ゆみは栄養を完全に母乳のみ(少し栄養を加えていますが)で賄っており、毎日30cc×8も飲んでいます(胃に直接流し込んでいます)。

今日、大学、職場の友人の方々から千羽鶴を頂きました。治るとかけて700羽あるのです。皆に応援をしてもらい、ゆみは幸せものです。ここ2日医者を驚かせるくらいゆみの調子が良い(悪くならない)ので、明日にも早速この皆の応援をゆみにプレゼントして、勢いつけてカビもウイルスも退治して元気になって 欲しいと思います。写真も撮りたいですね。本当にありがとうございました。

写真:ゆみのいる部屋の様子。個室のスペースが無いそうで、カーテンで仕切られているだけですが。同じウイルスに罹ってしまった未熟児がゆみを含めて3人います。



3月14日(火)

今日はJunの1歳の誕生日です。
今日明日と忙しいので、明後日にも家族でお祝いをしようと思っています。

今日午後の授業前、またNICUからの電話を受け取りました。今日はその前から何か嫌な予感がしていたのですが、今度はゆみはRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus:呼吸器合胞体ウイルス)に罹ってしまいました。

このウイルスは、大人が罹った場合はウイルス性の風邪としてそこまで深刻になることがないのですが、1歳未満の新生児が罹った場合は大変危険だそうです。下に紹介しているHPの1つでは、1歳未満でこのウイルスに感染した場合、40%が肺炎、30%が気管支炎を起こしているとしています。ゆみのような超未熟児の場合どうなるのかなどの具体的なデータや記述はありません。

夕方早速行って見ると、部屋を移され、私たちはいつもなら手を専用の石鹸で洗えば済むところが、それに加え、マスク、手袋、専用の服を着用しなくてはいけません。直前に担当の医師と看護師から説明を受けたのですが、その様子がとても深刻そうで、今まで何があっても明るく振舞っ ていた看護師までとても暗かったのに私たちも不安をいだかされました。

別室に移動したゆみは、見た感じでは昨日までと大きくは変わらない様子。今までの経過を聞くと、今朝突然低酸素状態に陥り、また鼻から大量の黄色い膿を出していたそうです。その膿を調べた結果、RSウイルスに感染しているということがわかったそうです。
現在は熱もなく、咳など呼吸困難な状況も見られません。ただ鼻は黄色い膿で、口は白い膿でいっぱいです。どうやら最初は鼻から始まり、徐々に咳などの呼吸困難や発熱を伴って、肺炎や気管支炎などの重篤症状へ移行します。

大人にとってはほとんどただの風邪です。しかし、ただでさえからだが小さいのに、また真菌やそれによる大量の薬の投与、毎日の人工呼吸によりゆみの体力はかなり消耗しています。今日から2、3日が一番の山場になるそうです。

あと昨日の目の検査(網膜症などの一般テストと真菌が目に存在しているかどうかのテスト)は両方とも陰性でしたのでよかったです。(ただし、一般テストは2週間ごとにあり、常に様々なリスクがあることと、真菌も2週間以上経たないと最終的な判断はできま� �ん。)

参考ホームページ

写真:私がおしゃぶりをくわえさせているところです。

写真:専用の服、手袋、マスク。当然看護師も全員このカッコです。



3月13日(月)

今日は12時から月1回のミーティングの日。今月担当の医療チームによるゆみの状況説明です。大体時間にして30分くらいでしたが、普段看護師から聞いている以上に様々な情報が聞け、今後どのような点を気をつけなければならないのか等勉強になりました。

まず話しに出たのが、ゆみの肺の話。先日IVによるデキサメタゾン投与を止めた途端、極端な低酸素状態に陥り(3月6日参照)、高頻度振動型人工呼吸器を数日間使用していました。先週末から通常の人工呼吸器に戻し、同時に効率の高い吸引によるデキサメタゾン投与により現在のゆみは安定している状態です。ただし、これも現在は薬の効果によるものという可能性があるので、様子を見て再びデキサメタゾン投与を止める必要があります。

そして、一番の懸念� ��項、感染症の話。最初に陽性反応が出たときからそれを含めて合計3回血液検査を行ったそうです。最初の2回は陽性だったのですが、先週木曜に受けた3回目のテストでは陰性の結果がでました。しかし、真菌は成長するのにとても時間がかかるので、現在陰性だからと言って結論できるものではないそうです。2週間陰性の状態が続けば(現在培養中)安全と言って良いそうなので、もうしばらく待つ必要があります。当然ゆみもその間含めて少なくとも21日間、アンホテリシンBを投与し続けられます。

3点目に、脳の問題。生後2週間と1ヶ月にテストを行って、出血等の脳の異常は見られませんでした。しかし、それで安心できるのではなく、今後は発育の過程が順調かどうかを見ることで脳が正常に機能しているのかど うかを見るそうです。Development Milestoneを言う言葉を使っていたのですが、何ヶ月のときに○○ができるなどを定期的にチェックしていくそうです。その専門医は全米で3本の指に入るくらい優秀だそうなので(どう優秀なのかわかりませんが)、ゆみもよろしくお願いしたいと思います。

最後に目について。高濃度酸素を長く吸引していることは、網膜症につながってしまう恐れがあります(かと言って低い濃度だと肺などに大変な問題があるわけですが。。)。目に関するテストは2週間に1回の割合で定期的に行っているそうです。また、通常のテストに加えて今日は感染症が目に隠れていないかどうかのテストも行いました。結果は明日以降にならないとわかりません。

以上の4点が今日のミーティングのポイントだったのですが、とりあえず現時点で� �問題無しということでとても安心しています。こちらは訴訟のことなどがあるので、医者は極力患者に状況を伝えようとします。何でも聞けば丁寧に教えてくれますし(聞かないと教えてくれないこともありますが)、こまめに気を使ってもらっているのもよくわかります。とにかく透明性が高いということは、ゆみの状況が悪いにしろ良いにしろ、私たちは常に情報を得て心配したり、楽観できたりするので良いことですね。



3月11日(土)

ゆみの罹った感染症の病原菌が判明しました。カンジダ・アルビカンス(Candida Albicans)という、カンジダ症の中では最も広く見られるものだそうです。やはり感染源はPercからで、普通にからだの皮膚についている菌があるときにPercに付着してしまったんでしょうね。いろいろ調べていると、10日以上のPercの使用は気をつけるべきだそうです。20日以上も使用していたゆみのケースではそれだけ危険度は高かったわけで、病院側の判断に問題が無かったのかどうか疑問です。薬については現在使用している抗生物質アムホテリシンBの使用は続けるそうで、特に治療に変化があるわけではありません。ただ、いくつかある非常に危険な病原菌ではなかったということで少しほっとしています。

あと今日から高頻度振動型人工呼吸器が外れて、以前使用していた人工呼吸器に戻りました。昨日よりも少し酸素濃度を� ��い状態に設定しなくてはいけないものの、圧力を低くしており、少しずつ自力呼吸に向けて再び進みだしたという感じです。昨日パンパンに張っていたお腹(薬の影響で腎機能が低下していたためと、母乳を1回につき17cc飲んだため)は、少し緩んでいました。見た目にも特に問題なさそうで、感染症の進行があまり進んでいないことをうかがわせます(感染症で危険なケースは、その進行がとても速いというときだそうです)。

昨日一昨日に比べるとゆみはかなり良い状態となりました。現在日本から妻の母がはるばる応援に来られているので、そのおかげかもしれません。それでもまだ生後とほとんど変わらないかそれ以上に悪い状態であることには変わりないので、この調子のまま回復して欲しいです。

参考ホーム ページ

写真:今日のゆみ。高頻度振動型人工呼吸器が外れて、鼻からの通常の呼吸器に戻りました。

写真:ゆみのオムツを取り替えているところ。



3月7日(火)

今日も朝から突然の医者からの電話を受けました。どうやら先日受けたゆみの感染症のテスト結果が陽性だったとのこと。とりあえず状況報告ということだったので、私は通常通り行動。結局いろいろとあって病院へ着いたのは夜となってしまいました。

夜病院でかかりつけの看護師に状況を聞いてみると、どうやらPerc(2月10日参照)の影響でゆみは真菌感染症(※)にかかってしまったそうです。英語でイースト、イーストと言っていたので、そのときは全くわかっていなかったのですが、後で調べてわかりました。とりあえずPercを外して従来のIV(点滴)による栄養摂取に戻し、アムホテリシンB(※)という抗生物質一日1.3ミリグラムを投与しています。


教えて何光合成

看護師が言うには、とりあえず陽性の程度はまだ弱いとのこと。しかし先日の突然の血中酸素濃度の低下と関連があるような気がして仕方ありません。またPercは心臓近くの静脈に直接栄養を供給していたので、それと一緒に病原菌を送っていたとなると既に前身に回っていそうで怖いです。真菌感染症は、全身性の炎症となる敗血症などにつながる場合があり、未熟児には極めて危険な病気です。今まで医者は何度も最も危険な感染症だけにはかからないよう努力していると言っていましたが、残念なことに遂にかかってしまったのです。とにかくゆみの体力のあるうちに抗生物質が効いてくれることを願っています。見た目には元気そうです(少しからだが黒く見えたのは、薬� ��副作用による腎機能低下によるものかな?)が、それでも回復までには少なくとも2,3週間はかかるとのことでした。

あと水曜に予約をしていたSSIの電話インタビューは、直接オフィスにてインタビューした方が医学用語、私たちの状況など正確に伝えられるということで、2週間後に延期しました。ゆみは特定障害者(出生時2ポンド以下)としての申請となるので、無条件で適用となるはずのですが、我々のステータスで問題ないのかどうか・・(州の医療保険では、私たちのようなケースはまず認められないということでしたが)。

<医療用語等メモ>

(※)真菌感染症
カビによって汚染されてしまっている状態です。病原体となる菌にはいくつか種類(下の参考HPを参照してください)がありますが、どの種も組織構造上退治することは大変時間がかかるそうです(風呂場の黒カビのしつこさなどを想像するとわかりやすいかもしれません)。これが全身性の炎症となると敗血症となり、致死率の極めて高い危険な状態となります。
ゆみのケースはまだ陽性という結果が出たのみで、どの病原体によるものなのか、どの程度進行しているのかなどが判明するには少し時間がかかるそうです。

(※)アムホテリシンB
現在投与できる抗菌薬のうち、最も強力なものです。いろいろある病原体の殆ど全てに効果を発揮するということで、重症真菌感染症や深在性真菌感染症などで使われるケースが多いそうです。副作用も大変強く、腎障害が必ずと言って良いほど出るなど、使用に関しては注意深い臨床判断が必要となります。

参考ホームページ




写真:高頻度振動型人工呼吸器を使用して、ずっと胸が膨らんでいる状態で振動しています。

写真:これがその高頻度振動型人工呼吸器。



3月6日(月)

今日は朝から突然の病院からの電話。再びゆみの様態が急変しました。

午前中早速行ってみると、どうやら血液中の酸素濃度が著しく低いとのこと。先週から呼吸を安定させるために、デキサメタゾンを使用し続けてきたわけですが、その投与を止めた途端自力での呼吸が不可能となったのです。結局ゆみの肺はまだまだ未熟で、自力で呼吸をするほど肺を膨らますことができません。以前使っていた人工呼吸器では不十分ということで、そこに1歩戻るどころか、更に強力な高頻度振動型人工呼吸器(※)を導入することになりました。

新しい呼吸器は従来のものよりも一回り大きく、通常の呼吸器とは全く異なります。振動型呼吸器を使用しているゆみは肺をずっと膨らせたまま、胸のあたりを中心にからだ中を� ��るぶると震わせていて見た目には呼吸をしているのかよくわかりません。少なくとも今週1週間はこの呼吸器を続けて様子を見てみるそうです。その間にもずっとデキサメタゾンを投与(今日からIVによる投与ではなく、口を通じた吸込み式による投与)を続けます。強い薬の後遺症も心配ですが、とりあえずまずは目先の肺が何とかならないことにはどうしようもありません。

からだ中がずっと振動しているものの、ゆみは両目を開けてあたりを見回したり、見た目には元気そうです。でも、せっかく母乳も飲めるようになったのにまたしばらくお預けだね。

あとは、午前中に社会保障庁に出向いて、ゆみのSSIへの申し込みの書類一式を貰いました。あと今週水曜に予定していた電話面接を延期して、直接オフィスへ出 向いて面接するかたちにしました。電話では、医学用語などをうまく伝えられなかったり、情報伝達がもれてしまうとSSI審査にマイナスの影響があると思ったからです。審査結果がでるまで数ヶ月かかるのが通常とのこと。日本への帰国時期との関連もあり、いろいろ不安要素が消えません。

<医療用語等メモ>

※高頻度振動型人工呼吸器(High Frequency Oscillatory Ventilation)
詳しい医学的な効用はわかりませんが、要は肺をずっと膨らませた状態にしておくことで、自分で肺を膨らませられるようにする呼吸器です。通常の呼吸器が、スーハーと大きな振幅であるのに対し、振動型は連続的に小さな振動が繰り返されます。全体の呼吸量としては同じに保つため、結果的にずっと肺を膨らませた状態で、通常の呼吸と同じ量の酸素などを吸引できるのです。
この振動型呼吸器は重度の呼吸障害に用いられるともどこかで聞いたので、早くこの呼吸器から抜け出せるよう祈るばかりです。



3月3日(金)

3月1日から人工呼吸器が外れました。というのも、先日書いた通り、人工呼吸器を未熟児に長く使用していることは、肺の成長にとって返ってマイナスとなってしまうことが多いということで、強力な薬を使用して自力での呼吸をさせているのです。

今まで口を通じて肺まで入っていた管は外され、現在は鼻から呼吸をするための動きを訓練する管を入れているだけで、呼吸自体は完全に自分でやっているそうです。ただ、3回投与したと言われていたデキサメタゾンは、念のためということで7回に増やされ、明日が投与の最後と聞きました。仕方ないとは言え、強力な薬と聞いていたのでどのくらい投与したのか聞いてみたのですが、看護師は具体的な数字は言わず、安全な量だと言っていました。再度問い詰めても、通常の投与� ��の範囲内ということしか言わないので、とりあえず今日はこれ以上は聞きませんでした。まぁ、ゆみはとても安定しているようで、時折笑っている表情をしたり、泣き声を出したり、くしゃみをしたりとよく動いていました。

もしこの薬のおかげで呼吸が安定した場合、あと1、2週間でインキュベータから外に出れるとも言っていました。現在は、周りの未熟児と比べても明らかに一段上の重度用のものを使っているように見えるので、もしそこから出られれば大きな進歩です。

あと今日はこれまでにゆみの投与した薬の一覧をもらいました。以下の通りです。
Zantac---腹部内出血のときに使用したもの。
Dexamethason---前回紹介したものステロイド系の薬。詳しくは2月27日参照。
Caffeine---カフェインも上のデキサメタゾンと同時に使用した呼吸のための薬。
Aldactone---腎臓の働きをよくする薬。利尿を促すそうです。
Diuril---これも同様に利尿剤。

いろいろ詳しく調べたいのですが、日本語ではほとんど一般向けの情報はなく、またものによっては日本では認可されていない薬のため、情報が得られません。英語で読むには時間がかかりますので、また今度にします。

さて、来週水曜日はいよいよSSIのインタビュー。ただ本来社会保障庁から送られてくるはずの書類がまだ届いていないので、月曜に直接出向く必要があります。5000万円の価値がある大事なインタビューです。



2月27日(月)

ここ1週間は特に問題もなく、順調です。ゆみの体重は今日で1370グラムで、出生時よりも30%も増えました。見た目にもずいぶん大きくなっていて、顔立ちもはっきりしてきています。

しかしまだ心配していることがあります。ゆみの肺は約1ヶ月経った現在でもまだとても未熟なのです。現在のゆみのIMV(※)は50回/分で、中程度の呼吸切迫症候群(※)よりも深刻な状態です。この状態が長く続いてしまうと慢性的な肺疾患になる可能性があるということで、今朝デキサメサゾン(※)と言う薬を少量投与されました。

この薬はとても強力だそうで、様々な副作用があります。医者の人が言うには、昔はこの薬を大量に使用することで後遺症が残るケースが多かったそうです が、最近はごく少量を短期間に使用することで、出来る限り後遺症の可能性を低くして成果を挙げることができるようになってきているのだとか。

この日は更に2回投与する予定なので、明日その効果がわかるかしら。(いつ頃出るのか聞きそびれましたが。)

余談ですが、NICU内のゆみのいるセクションには、8人くらいの未熟児がいるのですが、どのインキュベータ内にも写真やぬいぐるみが置いてあります。ゆみの担当の看護師も、写真など持っていいよと言っていたので、先週家族とJunの写真を2枚持ってきて飾りました。そして先日はくまのぬいぐるみを買って追加で置かせてもらいました。だんだんインキュベータの中が沢山のコードやら置物やらでゴミゴミしてくるので、よく写真はインキュベータの天井に、ぬい� ��るみは隅っこに追いやられていたりします。

<医療用語等メモ>

※IMV(間欠的強制換気回数)
ゆみの使用している人工呼吸器で管理されているものの1つ。1分間に何回機械による呼吸が行われたかを示します。これが10回/分になれば、人工呼吸器の管がはずすことができるそうです。肺が未熟であるほどこの数値は高く、中程度の呼吸切迫症候群で40回/分です。現在のゆみは50回/分とかなり高めになっており、それだけ呼吸を機械に頼っていることを示します。

※呼吸切迫症候群
ほとんどは未熟児に見られる疾患で、肺表面活性物質の欠乏により空気が肺にあまり入ってこない状態です。呼吸切迫症候群を発症した未熟児における危険度はとても高く、脳室内出血や死亡する恐れがあります。また、結果として肺が損傷してしまう、気管支異形成症(BPD)となってしまうこともあります。
現在のゆみはどの程度の危険度かわかりません。

※デキサメサゾン(Dexamethasone)
デキサメサゾンの使用により、呼吸切迫症候群に罹ってしまっている未熟児の場合、IMVの数値を低く出来ることでより早期に人工呼吸器がはずせるようになる可能性があります。また、BPD発症のリスクを抑えるのにも役立ちます。
しかし、デキサメタゾンによって、敗血症や心筋肥厚、消化管出血または穿孔など他の合併症を生じることがあります。更に数年後になってから脳障害や身体障害をもたらす場合もあります。未熟児の発育を一時的に妨げるので、とにかく出来うる限り少なく、出来うる限り短い期間で投与することが重要です。

参考ホームページ



2月22日(水)

今日は午後5時からRite Care申請のインタビューがあるということで授業後すぐに病院へ。少し余裕があったので、インタビュー前にもゆみに会いにいきました。

今日のゆみはとても元気そうでした。13時に先週末の出血以来数日ぶりの母乳を1回飲んだそうで、ちょうど2回目を与えるところでした。ただ母乳と言ってもまだ直接飲めるわけではなく、また1ccとわずかのみですが、それでも大きな進展であることは間違いありません。

その後のインタビューは1時間ほどかかったのですが、結局Rite Careには一応申請してはくれるものの、Studentである私とVisitingのVisaしか持たない妻の子ではいくら米国籍を持っているとはいえ認められる可能性は限りなく低いとのこと。それでも万が一認められるケースもあるらしいので、わざわざ申請手続きを取ってくれました。(別に無理して申請してくれなくても良かったのですが・・)。別にWICというベビー用品購入用の扶助は申請すれば認可されるということも聞きました。

インタビュー終了後は再びNICUへ。今度は看護師の方々がJunを面倒みてくれるということで、私と妻の二人一緒でゆみとご対面です(通常は、私か妻の片方がJunの面倒を外の待合室で見て交互にゆみと会っています)。今回は特別にゆみを直接抱かせてもらえるということで、二人で交互にゆみを抱きました。今まで 体温を測ったり、オムツを取り替えたりしたことはあったのですが、直接抱き上げるのは今日が初めて。今日の段階で1240グラムのゆみは本当に軽く、抱いていてもほとんど重さを感じないほどでした。

まだ出血は若干あるようですが、一時の危ない状況からはすっかり脱している様子で、安心しました。

写真:母乳を与えているところのゆみ。

写真:昨日から導入された新しい人工呼吸器の調節画面。

写真:ゆみを抱っこする妻。



2月21日(火)

今日は午前中からいろいろな手続きで大忙し。

まずはゆみの日本への出生証明を出すべく、こちらの出生証明を役所から貰いに行きました。通常生後10日ほどで出生登録がされ証明書がもらえるのですが、今回は出産のときに立ち会った産婦人科医がいつもと違っていたせいか2週間ちょっとかかっていました。日本への出生証明は2週間以内が原則なのでもう間に合いません。大丈夫でしょうか。

その後はゆみの待つ病院へ。まずはお金のことを相談するためにFinancial Councilorの事務所を訪ねました。というのは、私のブラウンでの保険での上限額は500,000ドル(約5500万円)。一日5,500(60万円)程度(手術費、薬は含まれない!)かかるゆみが3ヶ月以上病院に滞在した場合単純に1000万から2000万円くらいオーバーします。これをいかにカバーする方法があるかの相談でした。(ちなみに、今日まで約2週間ちょっとでかかった金額を聞いてみたところ、すでに約211,000ドル(約2300万円)とのこと。医療費本当に高い。。。)
結果、ブラウン以外の保険にすぐに入る必要があるとのことでした。新たに民間保険に入る手もありますが、どうやら州による保険に入った方が安く済みそうです。私たちが申請できる州(連邦)政府の保険には2つあって、1つは先日紹介したSSI(Supplemental Security Income)(2月15日参照)で、もう1つはRite Care(※)という保険です。前者は先日書いた通り毎月の扶助があるのですが、それに加えて上限無しの保険もつくとのこと。ゆみの場合は、出生時2ポンド以下という即認定されるケースだそうなのでこれでブラウン保険を超えた分はカバーできそう。更に今日のカウンセラーが教えてくれたのが後者のRite Careという制度。詳しくは下を参照。明日早速インタビューのアポイントを取ったので、学校が終わったら直行です。

そして更にはSocial Workerの人に会って来月あるSSIの申請のための電話インタビューについていろいろ質問しました。どうやらSocial Security Officeから送られてきた書類が成人障害者用のものだったようで新しく送りなおしてもらえるよう手配してもらえました。どうりで送られてきた資料ではよくわからなかったわけです。。

そしてようやくゆみの待つNICUへ。今日のゆみは体重が1210グラムとなり、状態も安定しているようでした。まだ出血は続いているようですが(今日の看護師が言うには、出血の原因は恐らくPDA(2月1日参照)のための薬であるインドメサシンの副作用だとか)、その量は徐々に減っているそうで後数日で再び授乳を再開できそうということでした。見た目にも状態は良さそうなので、とりあえず一時の緊急的な状態は脱したと見てよいと思います。

<医療用語等メモ>

※Rite Care/Rite Share
日本ではほとんど知られてない制度なのではないでしょうか。まだSSIとの関係が詳しくわかっていないのですが、Rite Careは州政府による未保険者に保険を提供する制度です。SSIが本体は連邦政府による所得扶助なのに対し、Rite Careは州政府(Department of Human Services)による医療保険扶助というところですか。申請の対象は1)子供のある家族、2)19歳未満の児童、3)妊婦の3つで、ある程度所得がある場合には、毎月60ドル〜90ドル程度負担する必要があります(この場合はRite Shareという枠になります)。この保険によりカバーされる範囲はとても広く、通常の医療サービスだけでなく、通常の保険では認められない歯科も含まれます。

ゆみの場合、ブラウンの保険では不十分なので、まずSSIに申請し、更にこのRiteCareにも申請しようと考えています。ただし、SSIで十分な場合は特に入らないので、その辺考慮しながらの申請です。
更に詳しくは下記のサイトに書いてあります。



2月18日(土)

とりあえず出血は治まって安定している状況が続いています。

約一日ぶりに見るゆみはなんだかしばらく会っていないような感覚さえ感じました。口からは体内の出血を吸い上げる管が出ていてなんだか苦しそう。からだも何故かとても黒くなっていました(これはたまにあることで、よく横断防止のための光線治療のあとに見られるのだとか)。

医者に聞いてみたところ、とりあえず安定している状態が続いているそうです。昨晩の出血の原因は今のところわかっていません。考えられるものとしては、昨晩書いたような潰瘍や感染症によるもの、また管によって体内が傷つけられた可能性もあります。原因を調べるにはレントゲンや内視鏡などを使うそうですが、レントゲンではよほど大きな潰瘍などでないと見つからないよう で、また内視鏡は小さなゆみには難しいとのことでした。

せっかく昨日から飲める(胃に流し込める)ようになった母乳はまたしばらくお預けです。現段階でどの程度危ないかは全く不明で、数日様子を見て判断するしかなさそうです。

写真:今日のゆみ。とりあえず無事で良かった。



2月17日(金)

先ほど深夜12時半、突然のNICUからの電話を受け取りました。

電話は今日のかかりつけの医者からで、ゆみの腹部から大量の出血があったとのこと(わざわざ大量と言っているところが不安です・・)。潰瘍による出血だそうです。原因は恐らくストレスだろうと言っていました。月曜には心臓の手術があったため、きっとかなりのストレスを感じていたのかもしれません。とりあえず出血は止まっていないものの、輸血を続けて現在は安定した状態と言っていました。

様態が急変したらまた直ぐに電話するということだったので、しばらく症状をネットで調べながら待機しています。いろいろ調べたところ、ゆみの症状は、「新生児壊死性腸炎(※)」というとても危険な状態であることがわかりました(まだ潰瘍 の段階で壊死しているところまで至ってはいませんが)。詳しくは下の用語で説明しますが、とても死亡率が高く、また生存しても障害が残る可能性も高いそうです。とにかく心配です。

確かに手術以降のゆみはいつもぐっすりと寝ていて元気が無いような感じでした。看護師は手術時の安眠させるための薬が数日間は続くということなのでそれだろうと話をしていました。新生児壊死性腸炎の初期症状は元気が無いことと、お腹が張っていることだそうなので、もしかしたらその兆候は前からあったのかもしれません。

更に昨日私の目の前で担当の看護師はミスらしきことをしました。どうやら酸素チューブの栓が開いていたか不十分だったかで、何かの数値が常に基準を満たしていない状況だったのです。今思えば、変な気� �使わずどういうミスだったのか追及すべきだったかもしれませんが、昨日は特に問題ないだろうと判断してしまい躊躇してしまいました。もしこれにより低酸素状態が続いていたのであれば、これも原因なのかもしれません。人工呼吸器にはあまりにも多くの数値があり、親が全てを把握するのは難しく、医者、看護師を信頼して任せるしかありません。それでも万が一の事態となると、昨日のミスとの因果関係や普段の酸素濃度の管理など疑ってしまいます。

現在のところゆみは大丈夫です。医者の言う安定している状態というのがどういう状態か具体的にわかりませんが、直ぐに何か問題が悪化するという状態ではないようです。しかしこの病気の危険度を考えると安心しきれず、とても心配です。

<医療用語等メモ>

※新生児壊死性腸炎
未熟な腸管に発症する消化管系疾患の1つです。1000グラム以下で出生した超未熟児に発症が多く、全体の80%が超未熟児に見られます。また死亡率も50%程度と非常に高く、脳内生出血と並んで未熟児にとって最も危険な疾患の1つです。 治っても約30%は何らかの後遺症が残る(壊死した場合、その箇所を切り取るので)そうです。

原因はいろいろ考えられますが、多くのネットで書かれていたのは、低酸素による血流障害や授乳、またストレスなどです。また、PDA(2月1日参照)により腸や腎臓、肝臓に十分な血液が行かなかった場合も原因となるそうです。ゆみの場合、未熟な肺は血流の低酸素状態を作りやすく、またちょうど今日から授乳が始まっていました。更に月曜の手術のストレス(医者はこの点を強 調していましたが。)もあります。更に長い間PDAであったため(8回のインドメサシンの投与は効果が無かったので)、その間ずっと腸に過度の負担をかけていたことも間違いないでしょう。


治療には直ぐに治せるものは無いそうです。まず授乳を止め、輸血、抗生剤を投与します。また、この疾患は敗血症、代謝性アシドーシス、感染症などを併発することが多いので、そのための薬も必要になります。更に症状が悪化して穴が開くような状態の場合(消化管穿孔など)は手術が必要となります。壊死性腸炎を起こした新生児のうち約30%は手術を行っているそうです。現在のゆみは、まだ出血が止まらないためずっと輸血を続けています。詳しくはまだ聞いていませんが、薬もいろいろ投与されているでしょう。治るまでには少なくとも数日はかかるそうなので、しばらく様子を見る必要があります。

参考ホームページ








2月15日(水)

手術して3日経ちますが、ゆみの状態はとても順調です。

予定通り胸から入れていた気胸のための管もはずされ1つからだ中にあるコードが減りました。ゆみはまだ安静に寝るための薬を取ってはいますが、とても順調で何も問題はありません。最近はいつ行ってもぐっすりと寝ているため、あまり大声では話しかけないようにしています。あと数日で母乳をチューブで直接胃に流し込んで飲ませ始めるそうです。

ちなみに今日の体重は1150グラムとまたかなり増えていて喜んでいたのですが、これはどうやら手術前後に輸血やら栄養やらを大目に投与したために増えてしまっている見せ掛けの数値だそうです。

さて今日はSocial Security Office(社会保障庁)からSSI(補足的保障給付)(※)の概要が届きました。来月8日に1時間程度のインタビューがあって、それによって給付されるのかどうかが決まります。私たちのような日本から所得があって、更に子供は米国人という場合に申請するケースはとても稀だと思うので、どういう扱いになるのかいろいろ相談する必要があります。(しかもすぐ日本に帰ってしまいますし。。)

<医療用語等メモ>

※SSI(Supplemental Security Income)
連邦政府の持っている公的扶助制度の1つです(審査、実施は州政府が主体となります)。高齢者や障害者、児童で所得の少ない場合に米国市民であることを条件に給付されます。給付額は州によってかなり異なるのですが、大体単身者で月額500ドル、夫婦で800ドル前後です。申請して数ヶ月の審査を経て認定されるのですが(審査が通る率は大体40%)、1)エイズと認定された場合、2)全盲、3)難聴、4)脳性麻痺、5)ダウン症、6)出生時2ポンド(908グラム)以下の超未熟児、の場合は、審査無しで即認められるそうです(ゆみは出生時890グラムでした。)。
また、SSIの資格を貰うと自動的にメディケイド(医療扶助)と呼ばれる医療扶助も受けられるようになります。メディケイドは州政府と連邦政府が半々で負担する扶助制度で、資格保持者はほとんど無料のような金額で医療サービスを受けることが可能です。これも対象は米国人ですが、5年以上滞在の外国人も審査対象になります。
ただ、これらの施策も現在ブッシュ政権が金額を大幅に減らそうとしているため、近々大きく制度内容が変更するかもしれません。

参考ホームページ



2月13日(月)

今日はゆみの手術の日です。

結局合計8回にわたるインドメサシンの投与は効果が無く、今日の朝の診断で手術が最終的に決まりました。心臓(右心室)から肺へ向かう肺動脈と、左心室からからだへ向かう大動脈の間を結ぶ動脈管をクリップで留める手術です。クリップは大人の爪程度の大きさのもので、最初見たときは思ったより大きいなと思いました。これから一生このクリップはからだに入れたままになるそうですが、チタン製なのでアレルギー反応などの心配は無いそうです。

15時からの手術ですが、13時半に来るように言われていたので時間通り到着。既にNICU内のゆみの人工呼吸器の周りにはいろいろ手術で用いる用具が並んでおり、周りは敷居で囲られていました。
間もなくして3人程度の歳からして経験豊富そうな看護師が準備を始めました。メスを胸の左側、肋骨にそって2,3センチほど入れるということで、ゆみは横にされてテープでぐるぐると固定されました。別に痛そうというほどでもありませんが、ゆみは一生懸命泣いている様子(呼吸のための管を胸まで入れているので声は出せません)。 手術中は立ち会えないので、しばらく別室に移動して終わるのを待ちます。

手術自体は15分程度で終わる簡単なものらしいのですが、結局麻酔やら後片付けやらでゆみに会えたのは4時半ごろ。カットされたところから気胸のための管が入れられている以外は見た目特に変化ありませんでした。麻酔が効いているようで、ゆみはぴくりとも動かずゆっくりと寝ている様子。周りでしゃべって起こしたりしてはまずいと思い、無事なことを確認して早々と病院を退散しました。

とりあえず胸に入れている管は2日間はしているそうです。その後傷口をホッチキスのようなもので止めて(縫うのではなく、ステイプルと言っていました)、2週間後に取るそうです。
これで経過が良好であれば母乳を入れることができるようになるでしょうし、人工呼吸器も早くはずせるかもしれません。

ちなみに今日のゆみの体重は1090グラムでした。誕生時より200グラム増加です。

写真:手術前のゆみ。

写真:手術後のゆみ。



2月10日(金)

今日は午後から医療チーム同席のミーティングがあるということで家族で参加しました。専門医が2名に看護師が3名、ソーシャルワーカーの人に通訳までついて私たちのためだけのミーティングにここまで人が来るのかと緊張しました。

一通りゆみの状況を聞きましたが、特に新しい情報はありません。相変わらず動脈管は開いているままなので、もし週末にも塞がらなかった場合は月曜午後に手術(※)を行うことになっています。手術はとても簡単なものらしく、15分程度で終わるのだとか。それでも心臓に近い部分の動脈を切るらしいので、親としては少し心配です。月曜は学校を休んで待機します。

さて、ゆみは親の目からは順調に成長し、先日遂に1000グラムを突破しました。毎日10〜30グラ� ��ずつ増えていて、ゆっくりとですが成長しているようです。このままのペースで行けば目標の5月で2000グラムも簡単に行けそうだなぁと思ったり。

ただ結局まだ母乳は飲める状況ではないので、Perc(※)と呼ばれる手法で腕の血管から管を注入し、心臓近くから栄養を送り込む方法を取っています。先週まではおへそから人口コードで栄養を送っていたそうですが、どうやらこれは1週間が目処らしくあまり続けることは良くないそうです。動脈管が塞がって薬を服用する必要が無くなれば母乳を飲むことができる(正確には流し込むですが)そうなので、早く塞がってくれと願うばかりです。腕から注入されている箇所には血が滲んでいて痛々しいのですし。

余談ですが、試しに一日に医療費はどの程度 かかっているのかを聞いたところ、5,500ドル(約60万円強)と言われ大変驚きました。1ヶ月で約2000万円。最低5月までの入院なので医療費は手術を抜かしたNICUだけで合計6000万円です。幸いにも大学の保険(全額適用のはず)、州の保険(大学の保険でカバーできない範囲に適用)、日本の保険(全額の8割)とどれもカバーしてくれるので、なんとかなると思っています。もし10%だけ負担と言われても600万円もかかってしまうので、少し不安です。

写真:目を開けてきょろきょろしてます。まだ光を感じるくらいでしょうけどね。

<医療用語等メモ>

※動脈管切断手術
1000グラム未満で生まれた胎児のほとんどが動脈管開存症(2月1日参照)なのですが、そのうち約10%が薬でも塞がらず手術を行うそうです。開いてしまっているのは肺動脈と大動脈の間の動脈管で、肺を使用していない胎児はこの動脈管を使用することで自分の肺を経由しないでからだに血を巡らせています。しかし、生後ここが開いてしまっているままでは、大動脈からからだへ行くはずの血液の一部が動脈管を通じて肺に入ってしまい、からだには十分な血が行かず、また肺にも負担をかけます。手術ではこの動脈管を切断して縫合します。
医者が言うにはこの手術はとても簡単らしく、手術室も使わずいつもの人工呼吸器の中で15分程度で終わらせるそうです。傷口も1〜2センチほどだそうで、成長すればほとんど目立たなくなると言っていました。

※Percutaneous Line(経皮的栄養管)
未熟児のほとんどは生後母乳を飲むことができないため、最初はおへそを通じて栄養が送られます。しかしこれは1週間程度しかできないようで、その後は少しずつ母乳を与え、あとはIVなどで補います。
ゆみの場合、1週間経ってもまだ母乳は与えられず、IVなども血管が細すぎるため効率がとても悪いので使えません。そこで、腕に管を入れ心臓の近くまで通します。そこから直接大動脈に栄養を流すのがこの手法です。
腕から心臓まで管を通しているのでちょっと見た目気持ち悪いのですが、栄養効率はとても良く、また安全だそうです。ただし一番怖いのが感染症なので、これには医者も看護師も注意しなければと言っていました。



2月3日(金)

今日は「ゆみ」という名前の由来について書きます。

当初「ゆみ」という名前は、漢字の画数の良さと感じの持つ意味から取りました。最初は、お互いに助け合うという意味の「佑」と未来を表す「未」で、画数も良く文字も好きだったのでこれに決めました。しかし、ある姓名判断ではこれはどうやら大凶となる文字らしく、また苗字と名前を一緒に書くとあまりしっくり来ないということで変えることとなりました。既にこちらでのソーシャルセキュリティーナンバーなどは「Yumi」で登録をしているので、漢字を変えるだけです。

「Yumi」にどういう漢字を充てようかいろいろ考えました。「ゆ」は当初の「佑」だけでなく、「優」や「由」、「結」、「友」などいろいろ候補がありました。「み」にも、「未」の他「美」、「� ��」など考えました。どれもとても良い意味でいろいろ悩んだ結果決まったのが、結局漢字を用いずにひらがなで「ゆみ」とすることです。1つの意味ではなく、沢山の意味をどれも含んでいるという考えです。(画数としてもひらがなの「ゆみ」はかなり良かったのもあります。)

というわけでめでたく良い名前が決まりました。問題は米国での発音。Junのときは本当の名前は「淳之介」と長いのですが、こちらでは皆に「Jun(ジュン)」や「Junno(ジュノー)」と呼ばれています。もともと海外に出ても呼びやすい名がある方が良いなと思っていました。(私の名前「だいじゅ」はなかなか難しいようです。)さて、「ゆみ」の場合ですが、実は「Yumi」と書いてあるとこちらの人は「ヤミー?」と尋ねられてしまいます。こちらで� ��、美味しい、うまいを意味する「yummy」という形容詞があり、身内内でしか使わないような俗語なのですが(日本語ではどういう感じなのでしょうかね。「ウマー」とか?「まういー」とか?そんなの使わないって?!)、それの発音をしてしまうようです。

でも「ゆみ」という名前は私も妻もとても気に入っているので別に気にしていませんけどね。ちなみに韓国でも、「Yomi」と書いて「ユミ」と読む名前の女性は結構いるそうです。「ゆみ」を「有味」と書けば、こちらでの意味にも近くなりそうですね。

写真:手のひら2つ分くらいしかない小さなゆみ。



2月1日(水)

ゆみの誕生からは毎日病院へ通って出来る限り長い間会うようにしています。

ゆみNICUのインキュベーターに入れられてずっと寝ているようですが、私たちが話しかけるとうれしいのかうるさいのか手足をパタパタと動かします。また目を開けようと一生懸命がんばっています。おでこの猿皺は私に似たのでしょうね。
インキュベータの中のゆみは、口には酸素を注入するコード、手足にはIV(点滴)、胸に電極、おへそには栄養を注入するコードといろんなものにつながれています。見た目はとても物々しく、横の機会にはいくつもの数字がチカチカと動いていました。

小児科医に様子を聞いたところ、とりあえずは良いニュースも悪いニュースも無く全て想定内ということでした。動脈管という血管が開いたままになってしまう病気(※)については、この日の朝1回薬を投与したそうですが効き目が無かったのでまた投与するそうです。また、貧血(※)を起こしているそうで輸血をしたそうです。
また、この日頭蓋内出血(※)が無いかどうかのテスト(1回目)も行い、結果は問題無かったそうです。あと2回テストをしてとりあえず大丈夫かどうかの判断がなされます。

生後4日となると、やはり未熟児として避けられない問題が少しずつ出てきました。生存(※)については最初の1週間が山で、それ以降は後遺症(※)が現われないかを定期的に診断していくこととなります。見た感じでは、とても元気そうに、快適そうにインキュベーターの中にいるので、このまま順調に経過することを願っています。親としては毎日ゆみを応援しに来ることくらいしかできないのが悔しいのですが。

写真:直接触れているところ。事前に専用の石鹸で手を洗う必要があります。

<医療用語等メモ>

※動脈管開存症(Patent Ductus Arteriosus)
胎内では、肺呼吸をしないため血液を肺に送る必要がありません。そのため直接肺動脈に流れるように、動脈管という血管があります。通常この動脈管は、生後自然に閉鎖しますが、これが閉鎖しないために心臓からの血液が動脈管を通じて肺動脈に流れるため、肺と心臓に負担をかけることとなってしまいます。
新生児の場合、心不全や細菌性心内膜炎を起こしやすいので、インドメサシンという薬などを投与して閉鎖を促したりするそうです。
ゆみも動脈開存症のため、インドメサシンという薬を生後ほぼ毎日服用しています。インドメサシンという薬は副作用も強く、腎機能障害、腹部膨満、腸管出血等の消化器障害、出血傾向をおこしやすいそうです。

※未熟児貧血(Anemia)
未熟児における貧血は場合により重症となることがあります。これも酸素濃度の関係があります。胎児が体内にいるときは、酸素を効率的に吸収できないため、造血ホルモンを大量に作りだすことで補っています。生後肺呼吸が始まると酸素が効率的に吸収されるようになるため、このホルモンは作られなくなります。新生児の場合、体重の増加に伴ってこのホルモンの比率が低下してしまうため、血色素量が低下し貧血となってしまうのです。未熟児の場合は、生まれた時点でこのホルモンの比率が小さいため、より一層貧血になりやすいそうです。
ゆみも生後4日後、貧血ということで輸血されました。

※頭蓋内出血
頭の中の血管が破れて出血する病気です。出産時に起こることが多いそうで、未熟児で生まれた場合に起きたりもします。場合によっては死亡したり、命を取り留めても後遺症が残ることがあります。特に未熟児の場合は、まだ血管が未発達のため破れるやすくなっています。多くは生後数日以内に起こるそうなので、テストで診断します。
ゆみの病院では、3回の超音波テストなどで診断するそうです。生後4日目に第1回目のテストを行い、とりあえず問題無いと出ました。2回目も問題無かった場合、90%は大丈夫と思っていいそうです。

※生存率(Intact Survival)
1998年の米国のある学術論文では以下のような調査結果を示しています。

「出生時体重が501グラムから600グラムまでは、出生時における生存率は31%であり、1週間後の時点で61%、約1ヵ月後の時点は75%であった。また、出生体重901から1000グラムでは、それぞれ88%、94%、98%と全ての時期について改善した。」(Timothy and et al., 1998)
(リンク先:

ゆみは出生時890グラムであったため、限りなく後者に近い。また、私の見た感じではとても元気そうにしているので、90%近くの生存率はあるだろうと思っています。この結果も10年近く前のことですし。

※後遺症
厚生労働省の調査では、2000年に生まれた超未熟児のうち、3歳の時点で40%は何らかの障害を持っているか、それに近い状態であるという調査結果が出ています。これはそれより5年前の調査から10%、90年調査からは15%増加しており、医療技術の発達により、より多くの超未熟児の命が助かる一方で、何らかの障害を持って生まれてしまうケースが増えてしまっているそうです。障害として多いケースは、失明、難聴、脳性麻痺が挙げられます。

※失明(未熟児網膜症)
超未熟児の場合は肺が未完成のため、多くの場合人工呼吸器などで酸素を注入します。しかし、その網膜は酸素の影響を受けやすく、高い濃度の酸素を使用した未熟児の場合この網膜症になりやすいそうです。また、酸素の使用と関係なく発生することもあるとか。超未熟児に最も多い病気で、生後3〜6週間後に発症します。
予防には酸素濃度の管理が重要ですが、発症してしまった場合は、光凝固法や冷凍凝固法という眼科手術が行われるそうです。ただあまり著しい効果は望めないようで、これらの手術を疑問視する方もいるそうです。(成功率は50%程度で、視力が0.01にでもなれば大成功だとか。)
ゆみは、生後4日目までのところでは酸素濃度をかなり低い状態に保っていられるそうなので、もしかしたら網膜症にはならないで済むかもと期待しています。



1月28日(土)

ゆみの誕生は予定よりも3ヶ月以上も早く突然やって来ました。

朝10時ごろ妻がお腹が痛いというので起こされました。それまで前兆も何も無かったので、気になった私はとりあえず病院へ行くことを考えながらHPで調べてみました。間もなく出血もあり、自家用車ではなく911(※)へ電話して救急車で病院へ。この時点で痛みは3分から5分間隔となっており、もうこれは陣痛だなという認識が私たちにはありました。

病院では、レスキュー隊員があらかじめ状況を伝えておいてくれたので、受付で待つことなくすぐに処置室へ連れていってくれました。医者は、陣痛と止める薬、点滴などの処置を施していましたが、すぐに無駄と思ったようで分娩室へ移動することとなりました。

私もJunと一緒に分娩� ��へ移動。わずか10ヶ月前にもお世話になった懐かしい場所です。今回はテレビもついてなく、看護婦もガムは噛んでいませんでした。さて、そこからはあっと言う間。ゆみが誕生するまでに恐らく30分くらいしかかからなかったのではないでしょうか。

結局26週という早い段階でゆみは生まれました。それでもJunのときとは違って、出てきたときは蚊の鳴くような産声をあげていました。また、見えているのかわかりませんが、目も開けてあたりを見回しているようで、周りの看護婦たちを驚かしていました。誕生時の体重は890グラム。身長は正確にはまだわかりませんが、30センチくらいでしょうか。立派な超未熟児(※)です。手のひらの大きさなどは私の親指にも満たないほど小さなもので、腿も� �の親指よりも細い。そんな小さなからだながらも、結構活発に動かしていました。

ゆみは小児科医チームに引き取られNICU(新生児集中治療室)(※)へ、そして妻は私と共に病室へ移動です。病院側は気を使ってか一般の患者がいる階の部屋を用意してくれました。Junのときとは異なり2、3時間おきに母乳を上げる必要がなく、また出産の傷も今回は比較的小さかったようで、結構時間を持て余しました(※)

私はJunを友人宅へ預け、荷物などを取りに自宅へ。この日は初めてJunと二人で過ごしました。朝からばたばたしていたためにJunはとても疲れていたようで、すぐに寝てしまいました。私も明日は朝から病院なので、すぐに寝ました。

写真:生まれたばかりのゆみの写真。
しばらくNICU内だけどがんばっていこうね。

<医療用語等メモ>

※911
米国では私立と公立の救急医療サービスがあるそうですが、これはもちろん公的なもの。今回初めて使用しました。住所と症状を伝えればすぐに来てくれます。料金は州や走行距離によってことなりますが、大体US$400(4万円ちょっと)前後とか。基本的に保険が適用されるので、入っていれはほとんどかからないそうです。

※超未熟児
定義上22週以降37週よりも前に生まれてしまった場合を早産と言うそうです。公式上の定義では、WHOは2500グラム以下の体重で生まれてきた赤ちゃんを「低出生体重児(未熟児)」としています。また、1500グラム以下の新生児は「極小未熟児」と呼ばれ、1000グラム以下となると一番下の分類となる「超低出生体重児(超未熟児)」と呼ばれるそうです。ゆみは出生時890グラムでしたので、未熟児の中でも一番未熟な超未熟児となります。


※出産後
米国では、日本と異なり出産後すぐに病室で赤ちゃんと一緒に過ごします。赤ちゃんを持っていって欲しいと言えば持っていきますが、早い段階から母親にできるだけ長い間触れさせることが良いという考えなのでしょうか。また、一日中2,3時間おきに母乳をあげる必要があるのですが、最初はなかなかうまくいかず苦労します。
更に、米国は法律上2泊しかできないので(昔は1泊だった)、退院もすぐにやってきます。一般的に麻酔を用いた無痛分娩だからなのか、米国の人たちがタフなのかわかりませんが、わずか2日での退院は母体にかなりシビアです。

※NICU(新生児集中治療室)
ロードアイランド州は米国でも福祉に力を入れている州として有名で、お世話になっている「Women&Infants」は、特に出産関係を専門とした病院です。そこのNICUも全米で最大級の規模で、何とインキュベーターが60台もあります。(日本では最大で10数台と聞いたことがあります。)
NICUは24時間開いており、私たち親はいつでも訪ねて赤ちゃんと会うことができます。また、ちょうどオムツを取り替えたりする時間であれば、そういった作業をできるだけやらせてもらえるようで、ずいぶん日本と違うなと感じました。



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2012年1月7日 ... ノ ポンガーやポンド伯爵やビオバタソとか | ̄| 居た頃が ..... 2012/01/09(月) 23:11:53.63 ID:ZAhq7/So [12/13回発言]: これ 意図的にやってるよな ...... 2012/01/11(水) 16:18: 01.85 ID:uto77QzJ [2/22回発言]: 今日は早朝組動きが早い ..... 2012/01/11(水) 21: 59:47.23 ID:vtoYKZHc [4/5回発言]: 原油や金は噴いとるのにポンちゃんはアレやね ...... ギリシャ:2011年財政赤字のGDP比率で約9.6% 予想を下回る ... read more

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