【審議結果】
梶山課長補佐
ただいまから、平成16年度第1回目の環境影響評価審査会を開会いたします。
本日は、(株)クリショーの白木産業廃棄物最終処分場増設事業に係る環境影響評価実施計画書について審査いただくこととしております。
本事業は、(株)クリショーが、平成14年度から埋立を行っている安定型産業廃棄物最終処分場の面積を約7.7ha拡張し、事業期間を延長しようとするもので、規則に定める「最終処分場の規模の変更の事業であって埋立処分場所の面積が3ヘクタール以上増加するもの」に該当することから、環境影響評価条例に基づき、平成17年2月24日に環境影響評価実施計画書が市長に提出され、3月1日から1か月間、公告、縦覧を行っております。
実施計画書に対する意見書の提出期限は4月� ��4日となっており、提出された意見の概要とそれに対する事業者の見解が市長に提出されて60日以内に、市長は審査会のご意見を聴いた上で、この実施計画書について事業者に意見を述べることとされております。
それでははじめに、環境局環境保全担当部長の亀井からご挨拶申し上げます。
亀井環境保全担当部長
委員の皆様には、年度末のお忙しい中、審査会にご出席いただき誠にありがとうございます。
本事業は、平成11年6月に広島市環境影響評価条例を施行してから4番目の案件であるとともに、初めての民間事業者が実施する対象事業になります。
廃棄物の最終処分場設置は市民の関心が非常に高い事業ですので、審査にあたっては厳正に対処したいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
それでは、審議に先立ち、市長からの諮問をさせていただきます。
(諮問書を天野会長に手交)
梶山補佐
それでは、これからの議事進行は天野会長にお願いいたします。
天野会長
本日は、お忙しいところ、会議にご出席いただきありがとうございます。また、事業者の(株)クリショーさんには、会議へのご出席をお願いしたところ、お越しいただきましてありがとうございます。まず始めに、今回の事業の概要と計画書の内容について説明をお願いします。
事業者(岡部社長)
(株)クリショー代表の岡部です。委員の皆さまには、早朝より現地をご視察いただき誠にありがとうございました。実施計画書の内容については、当社の担当役員の藤原がご説明させていただきますのでよろしくお願いします。
事業者(藤原部長)
まず、私どものスタッフを紹介させていただきます。環境アセスメントを担当しております(株)エヌ・イーサポート、開発関係の設計を担当しております日野原富士コンサルタントでございます。それではこれから、事業の内容を説明させていただきます。
当事業は平成14年より平成28年までの予定で稼動しておりますが、当初予定よりも搬入量が多く、各所からの需要も高いことから増設を計画いたしました。
〔以下、藤原部長及び(株)エヌ・イーサポート平井部長により白木産業廃棄物最終処分場増設事業に伴う環境影響評価実施計画書に基づき事業の概要及びアセスの内容等を説明〕
会長
ありがとうございました。それでは早速ですが、これまでの説明や実施計画書の内容について、忌憚のないご意見をお願いします。
宮田委員
現在の埋立地を設置するにあたり、環境アセスメントは実施されましたか。
砂田環境アセスメント担当課長
事務局からお答えをさせていただきます。
現在の埋立地は、廃棄物処理法に基づく設置の許可申請が、アセス条例施行前の平成10年6月12日に提出されており、条例に基づくアセスは行われていません。なお、アセス条例施行前には、市の要綱でアセスを行っていたのですが、要綱では最終処分場の場合、施工区域の面積が15ha以上のものを対象としていましたので、こちらでもやっておりません。
宮田委員
8ページに、増設後も日平均の搬入車両台数は変わらないとありますが、搬入は、朝のある時間帯が多いといったような時間的な偏りはありませんか。
事業者
現在の搬入状況は、午前中に約2/3が持ち込まれ、午後に残りの1/3が来るといった感じです。特定の時間に集中するといったことはありません。
水田委員
鳥類のルートセンサスなどを行うようになっていますが、予定地の大半は既に造成されているので影響調査は行いにくいと思います。影響を調査するのであれば、近くの同じような谷筋で、人の手の入っていない地域を対照地域として調査すべきではないでしょうか。
事業者
ご意見として検討したいと思います。
関委員
例えば、ダムの水没地域の調査であれば、水没地域から水平距離で500m位までを影響の及ぶ区域として調査する例が多くなっています。図5-1では改変する区域とその周囲わずかの範囲に止まっており、これではちょっと面積が狭すぎると思います。植物については、少なくとも事業計画地の周囲500m位まで、調査範囲を広げた方がいいと思います。
天野会長
委員長は発言すべきではないかもしれませんが、私からも一つ聞かせてください。
23ページの排水の水質結果で、ジクロロメタンが基準を超えて0.044と高くなっていますが、どのようなものを処分してこのジクロロメタンが出てきたとお考えですか。
事業者
ジクロロメタンは自然界にあるものではなく、安定型処分場からは出てはいけないものですが、調査日は腰まで雨が降っており、ごみ由来か、あるいは、当時行っていた法面の工事によるものかと、いろいろ調べました。しかし、原因は突き止められませんでした。
今回、調査期間中にもこういう状況が起こるのではないかということで、調査項目に含めたいと考えています。
誰がスズを見つけました
会長
でも、通常の廃棄物からは出そうにないですね。また、工事でこのようなものを持ち込むとも考え難い。今のところ原因はわからないということなら結構ですが、こういうのは気になりますね。
担当課長
最終処分場の運転管理について、規制し、監視・指導する部署は、同じ環境局の産業廃棄物指導課で、これらのデータは産業廃棄物指導課にも報告されています。
この処分場は安定型処分場なので、基本的には有機物系のものは入らないはずですが、排水に出たということで、産業廃棄物指導課としても調査も行っています。
調査の日が大雨だったことも確認し、降雨後の水質が安定した時期に、再度、市のほうで水質検査も行っていますが、どうも平成16年8月3日に検出されたのは一過性のものではないかと産業廃棄物指導課は判断しておりますので、付け加えさせていただきます。
宮田委員
廃棄物の埋立に関連して悪臭を環境影響評価項目に挙げておられますが、処分する廃棄物のうち、悪臭が発生しそうなものは何ですか。どうして項目に入れたのですか。
事業者
悪臭が発生するものはありません。しかし、廃棄物ということなので、現在稼動中の現況を測って、影響がないことを確認したいと思っています。
宮田委員
これは、調査のみであって予測はしないということですか。
事業者
調査も予測も両方行います。
宮田委員
74ページの大気質の現地調査で、調査期間に冬季を選んだのはなぜですか。
事業者
若干周辺に民家があり、冬場は燃料等の使用量が多いので、冬季を選びました。
宮田委員
自動車通行による影響を対象にしているのではないということですか。
事業者
結果的に自動車等も含めた全ての影響を網羅していることになりますが、いつがいいかということで燃料の使用量が多い冬季を選びました。
宮田委員
燃料の中には窒素酸化物や浮遊粒子状物質は入っていませんし、自動車の通行量が冬場に多いということはないと思います。位置関係から、周辺民家への影響は、北寄りの風が多い冬季ではなく、むしろ南向きの風が吹く時期に調べた方がいいのではないかと思います。
事業者
検討させていただきます。
中川委員
75ページの騒音の調査地点No2は農道ゆずりはの入口のところですか。今朝、車で通った時に、農道ゆずりはに入ってすぐのあたり(左側)に、道路に近い家があったように思いますが、そこではないのですか。
事業者
交差点から農道ゆずりは道に入ってちょっと進んだ、民家が密集している場所の沿道を計画しています。委員ご指摘の場所は、廃棄物搬入車両よりも国道54号線の通行車両による影響が大きくなると考え、調査地点から外しました。再度、検討させていただきます。
中川委員
廃棄物搬入車両は1日平均47台ということですが、工事中に工事の関係車両が増えることはないのでしょうか。
事業者
開発工事では、通行車両はわずかしか増えません。具体的には生コン車が1日1~2台程度で、他の車が増えるということはありません。
中川委員
76ページでは、騒音・振動について年1回12時間調査されることになっていますが、この12時間というのは何時から何時までですか。
事業者
測定は、7時から19時を予定しています。処分場の稼動は8時から17時ですので、これでカバーできるということで設定しています。
関委員
計画によると、相当広い面積の森林を伐採することになっていますが、伐採した樹木はどこで処分される予定ですか。
また、これはちょっと無理な注文かもしれませんが、最近は、自然林を伐採した場合、表土を別のところに取っておいて、植生を回復させる段階でその表土を持ってくるといったことが、ダム建設などで行われているのですが、それについてはどのようにお考えですか。
事業者
表土については、現在、そういったことに配慮して施工いたしております。今の山の土を外へ持っていくのではなく、埋め立てた上にそれを盛って、できるだけ位置を変えないようなことは考えて施工しております。
それから、伐採樹木については、旧地主の方が持って返られ、製材して販売されるということもありますが、大半は、炭化処理をしてリサイクルしております。
吉國副会長
24ページに水質調査結果がありますが、平成15年、16年は測定されていないのですか。
事業者
データはあります。
副会長
数値が減少傾向にあるのならいいのですが、増えているのであれば困ると思います。
24ページの水質調査結果その1の表で「河川(流出水)」というのは何(どこの水)を表しているのでしょうか。
事業者
朝方、堰堤から見下ろしていただいた一番下の調整池から河川へ出た直後の水です。
副会長
25ページの水質調査結果その2の放流槽と同じものですか。
事業者
水質調査結果その2が、その1の河川の部分だけを抜き出したものです。
副会長
放流槽は、なぜかうまくいっているけれども、観測井戸No1、2、3ではちょっと問題があるということですね。これが問題がないか、減る方向にあるかということをチェックしておかれたほうがいいと思います。
会長
水質調査結果その1の河川水というのは、12ページの地図の、茶色の隣接する埋立地の下流側の大滝川と合流する地点の水かと思いましたがそうではないのですか。
事業者
12ページの地図の茶色の敷地に緑色がくさびのように入っている部分があると思いますが、その先端部、観測井戸No1の横にある放流槽の出口直後の水のことです。
なぜアルゴンは重要である
担当課長
若干混乱しているようですので、事務局から確認させていただきます。委員の皆さんが疑問に思われた点は、23ページから26ページの水質調査結果の中で、処分場排水、河川(流出水)、放流槽、No1井戸水といったいろいろな言葉が出てきて、表によって表現が変わっているため、それぞれが何を表しているのか、わかりにくくなっているのだと思います。
もう1点は、No1の井戸は残っているが、No2、No3の井戸は(廃棄物層の下になって)もうなくなっていて、経年的なデータは採れなくなっているということです。
次に、この水質調査結果をどう見るかということですが、埋立地の真下を走っている河川の水質と観測井戸の水質に関連があるかどうかが問題となります。少なくともデータで見る限� �、重金属類は観測井戸では出ていますが、河川水からは出ていないので、河川水の水質と井戸水の水質は異なっているといえると思います。おそらく、観測井戸では、もともと地下にあった地下水の水質(その土地の地質に由来するもの)を測定しているものと思われます。
ただ、今回事業の拡張を予定している区域も同じかどうかがわからないことが問題点だと思います。今回、拡張予定区域について地下水調査や土質調査をする予定になっていませんが、そのあたりを今回のアセスの調査で事業者の方がどこまで確認できるかだと思います。
水田委員
25ページの水質調査結果その2の放流槽と24ページの水質調査結果その1の河川(流出水)というのは同じものを表しているのですか。
事業者
同じものを表しています。
水田委員
水質調査結果その2では、かなり頻繁にBODを調査されているが、他の項目についても検査されているのであれば結果を示してください。
窪田委員
36ページからの社会的状況の部分について、人口・世帯数については事業予定地の白木町志路のデータが示されていますが、それ以降については安佐北区のデータしか示されていません。安佐北区は広島市の中でも非常に範囲が広いので、たとえ傾向は同じだとしても、データが示されていないと、統計としてはほとんど意味がないと思います。
また、71ページに、自然との触れ合い活動の場については「事業計画地周辺には、自然との触れ合い活動の場となる施設等は存在しない」ことから、調査、予測、評価は実施しないこととされていますが、広場や遊歩道があるからそれを避けるということだけではなく、その地域の人たちがこの山をどのように利用していたのかという視点を考えないと、自然との豊か な触れ合い活動を奪っているのかどうかわからないと思います。
そういうことも含めて、この地域の方々がどういう仕事をしていて、どの程度この地域や事業を予定している山との関わりを持っておられるかというデータが示されないと、潰しているのか、豊かにしているのかも判断できないと思います。
事業者
いただいたご意見については検討させていただきます。志路地区のデータについては、積極的に調査し、記載したいと思います。
関委員
この会議は拡張事業に伴う影響を検討する場で、事業終了後のことは議題ではないのかもしれませんが、あれだけ広大な面積が裸地化していて、さらに今後増設しようということですが、将来の緑化の計画を持っておられますか。長期的な視野でどのようなものを植え、将来、あの土地をどのように利用されるのか、計画をお持ちであれば教えてください。
事業者
いろいろな木を植えながら検討している最中ですが、寒い場所なので、植物の育ちが悪く、堰堤の上にはユキヤナギを試しに植えてみたところです。他にもツバキやユズなどを仮に植えながら検討している最中です。いずれにしても検討して、回答したいと思います。
フンク委員
実施計画書の前半に、この地域の環境についてのデータが示されていますが、2年前に現在の施設が稼動して、それが地域の環境にどのような影響を及ぼしたかということがわかるような、稼動前と稼動後が対比できる長期的なデータを揃えることは可能でしょうか。
また、これは現在のアセスを越えることになるのですが、地域全体を考えると、既に、すぐ隣に別の処分場があって、おそらくあの地域には、他にも将来的にできる可能性もあるのではないかと思いますが、それらの関係、いわゆる複合的影響については検討できませんか。
担当課長
環境の現況の部分のデータは、私ども市役所環境保全課が調査した結果をとりまとめた「広島市の環境」から取られていると思いますが、これは毎年度発行されていますので、クリショーさんが事業を始められる前から、経年的にデータを示すことは可能だと思います。
どのようにクランベリー栽培/今日harrested 、過去には
関委員
81ページの植物の調査について、植物相と貴重種についてリストアップされるようになっていますが、できれば植生図を描いていただきたいと思います。植生図は既に31ページに引用されていますが、もっと細かく、4ページの図くらいの縮尺で、さらに周囲500mくらいを含んだ形で、どのような植物群落があるかということを描いた植生図をぜひ作っていただきたい。先ほど、寒いので育つ樹種が限られるというお話がありましたが、現在生えているものを植えれば生えるはずです。理想的には、今回伐採する樹木をあらかじめどこかに除けておいて、完成後に元に返せば一番いいのですが、これは大変お金がかかるのであまり薦めません。とにかく、現在どのような森林があるかということを調査しておけば、� �来緑化する時に参考になるということです。
それから、植物相の調査については、既に挙げておられますが、広島市環境局の作った「広島市の生物」を参考にしてください。平成12年に環境省が新しい国のRDB(レッド・データ・ブック)を作り、植物については、それまで、花の咲く植物とシダ植物しか扱っていなかったものが、コケ類、地衣類、藻類、菌類を加えましたが、広島市の生物にはそれらの情報が入っています。今回の事業でも、是非コケ類等について調査すべきだと思いますが、それらを調査できる人材は全国的にも限られています。私はコケの専門家ですが審査委員なのでこの調査には加われませんので、できれば広島市の生物を執筆した人を調査員の中に加えていただきたい。県外の専門家を連れて来ても� ��まく調査ができないと思います。
水田委員
調査の範囲は尾根筋まででいいのでしょうか。現在この調査計画地の何割かは既に裸地になっています。昆虫相とか植物相について、ここを調査しても意味はないので、対照区として状況の似た谷筋を調査すべきではないでしょうか。
関委員
それは、どこか適当な場所があるでしょうか。
水田委員
それはわかりません。調査をやる人に見つけていただきたいと思います。
関委員
確かに、それが理想です。裸地では、調査をしても意味がないと思います。
副会長
話が前に戻って恐縮ですが、観測井の水位や放流槽の流量は測っておられますか。
事業者
水位も流量も測っておりません。
副会長
今は水質しか測っておられないということですが、悪いものの総量が問題なので、こういった測定をされる時には、地下水なら水位、表流水なら流量を測っておいてほしいと思います。現在、井戸の水位はどのくらいありますか。
事業者
現在の一番上のNo4の観測井については、井戸の深さが13メートルで、地盤から4メートルほど下まで水位があります。
副会長
本当は、多雨期と少雨季で違うと思うので、きちんと測ってほしいと思います。観測井No1で測られている重金属類が基準をオーバーしていますが、全体のヴォリュームがいくらあるかということは判断する時に非常に重要です。
それから埋立地の下に埋設管がありますが、あの中は空洞ではないということですか。
事業者
(地盤に)井戸を掘った中には水があるということで、蛇腹管の中は空洞だと思います。上から流れてきた水がその中を流れるだけです。
副会長
私が知りたいのは、埋立層の中にどの位水位があるかということなのですが、埋立層の中には水は無いということですね。
事業者
それは、調査してみなければわかりません。
副会長
No4では深さ8mと仰いましたが、No2、No3ではどうですか。
事業者
現在施工しておりまして、埋め立ててしまいましたから、No2、3の井戸はもうありません。埋立範囲に入っておりますので調査もできません。No1の井戸は調査します。
会長
埋設した蛇腹管の中を流れる水量は、今日、我々が最上流部で見た河川の流量、あの程度と考えてよろしいですね。
事業者
はいそうです。最下流の放流槽でも流れる量はほとんど変わりません。
担当課長
話を整理させていただきますのでご確認ください。もともとここは谷地形で底に川がありました。その谷川を埋立で潰すため、蛇腹の管を埋立地の一番下に置き、上流からの水をその管で受けて一番下の沈砂池に引っ張っている。そして、No1、No2、No3、No4の井戸は在来の谷川よりも下の地下水を測るために掘った井戸です。ですから谷川の水がモニタリング井戸に入っているのではなく、在来の地盤よりも下の地下水が埋立によって影響を受けるかどうかを確認するためにモニタリング井戸のNo1~4を掘っているのです。モニタリング井戸No1の横に沈砂池がありますが、沈砂池の水とNo1の井戸の水とは全く別のものです。谷川の水は沈砂池に入り、オーバーフローして大滝川に流れます。モニタリング井戸No1の� ��は、埋立地に降った雨が廃棄物層を通過して地下に浸透し、地下水に影響を与えているかどうかを確認するためのものです。同じようにNo2、No3でもモニタリングしていましたが、埋め立てたことによって潰れていますので、今はモニタリングしていない。その代わりに一番上にNo4のモニタリング井戸を今回作ったということですよね。
事業者
そのとおりです。
会長
No1の井戸の深さはどのくらいですか。
事業者
No1の井戸は深さ20mで、No4の井戸が13mです。
担当課長
それで、最初に私が申しましたように、重金属は表流水や放流水からは一切検出されておらず、地下水のみから検出されているので、地下の地質の、いわゆる自然由来ではないかと推測されると思います。ただ、繰り返しになりますが、今回の拡張予定地については、現在埋立している場所と地質の状況が全く同じかどうかはわからないものですから、そのあたりは、今回の環境調査に合わせて確認した方がいいと考えています。
補足しますと、白木地区にはかつて銅山が何か所かありまして、昭和の始め頃までは実際に銅を掘っておりました。鉱脈も銅、亜鉛、鉛などが白木町一帯を走っておりますので、銅が出れば砒素や水銀が出るということもあるかと思いますので、地質由来ではないかという推測は、ある程 度根拠があると思います。
副会長
もう一度確認しますが、No2、No3の井戸については、かつて測っていたけれども閉鎖したというのは、もう観測の必要がないと判断されたからなのでしょうか。
事業者
現在埋め立ててしまい、地表面から40~50mくらい下になりますので、観測するのは不可能です。それで、埋立をしたところについては観測できないということです。
副会長
No4の井戸もそのうちに潰れて、最終的にはNo1しか残らないということですね。
矢野委員
計画では地下水汚染については影響を想定されないので、調査、予測はしないということですが、これはいいのでしょうか。
事業者
安定型の最終処分場なので悪いものは出てこないということで調査、予測、評価の項目に挙げておりません。
矢野委員
No4の観測井の水質データはないのですか。
事業者
最近掘った井戸で、この計画書を作る段階では間に合わなかったものですから、載せておりません。
矢野委員
地質由来かどうかは、No4の井戸とNo1の井戸の水質を比較すればいいと思います。No4の井戸の地下水は廃棄物層の影響を受けていませんから、水質が同様であれば、これまでの経験から地下水汚染は予測項目に入れなくてもよいと思いますが、No1とNo4の水質が大きく食い違っていれば、地下水汚染の検討をされたほうがいいと思います。
事業者
ご意見を踏まえて、検討させていただきます。
副会長
観測井戸のNo1、2,3と3つデータが揃っている時期があるので、ずっと測定を続けておられると思っていました。頭とお尻しか測らないということとは思いませんでした。
事業者
井戸のパイプをそのまま真直ぐ上げることは不可能なので、それはできません。
会長
井戸が埋立層の下になってキープすることが難しくなったということなのでそれはしかたのないことです。今後、お願いしたいのは一番下のNo1の井戸水を徹底的にずっと調査してほしいということです。それ以外にやりようがありません。
宮田委員
大気質のところで、67ページには浮遊粒子状物質が入っているのですが、74ページの予測のところには二酸化窒素しか出ていないのはどういうことですか。
事業者
これは記載ミスなので、入れます(予測します)。
副会長
こういった施設で一番怖いのは土石流なのですが、放流先の大滝川は砂防の危険渓流に指定されていませんか。
事業者
普通河川で、何の指定もされていないと聞いております。再度確認いたします。
今岡委員
重金属が検出されたということがこの実施計画書を通じて公表されると、たとえ自然由来のものだったとしても地域の住民の方はご心配になられると思いますので、環境影響評価の項目の中に入れて、きちんと調査することを明記しておいたほうがいいと思います。
それから、この場でこれだけもめたのですから、分かりにくい計画書になっているということを事業者の方にご理解いただいて、補足的な資料を作って検討された方がいいと思います。
もう一点事務局にお願いするのですが、この事業では、隣にもう一つの最終処分場があり、この1か所だけのアセスで済ませていいのかということが問題だと思います。これまで検討されてきた多元的アセスの考えを取り入れなくていいのかどうか。例えば景観� ��この1か所だけではなく、その下の最終処分場も含めて配慮をしておく必要はないかどうかについて事務局の方でご検討いただければと思います。
窪田委員
この事業の場合には、隣の市がすぐそばにあり、特に景観全体のことになると広島市だけで完結する問題ではないと思います。そういったこともあって、今日は県の方もお見えになっているのかもしれませんが、そこも合わせてお考えいただいたほうがいいと思います。
担当課長
今岡委員のご意見は、いわゆる累積的、複合的な影響の評価のお話だと思います。確かに、今回の事業では、隣に同じような民間の産廃処分場がありますので、その複合的な影響はどうかという観点からもクリショーさんはアセスをすべきだと思っております。
それでは複合的な影響が表れる環境の項目は何かと考えますと、景観を始め、ほとんど全ての事象に関して影響を評価すべきであろうと思います。ただ、クリショーさんが今回計画している内容は、既に処分場が存在している現在の形態で現況調査を実施しますので、結果として隣の処分場の影響も含めて調査、予測、評価することになると考えております。
また、窪田委員ご指摘のとおり、この事業の環境影響地域は市域を越えておりますので、広島� ��知事、安芸高田市長にも当然意見を求めますし、安芸高田市の住民の皆さんからも意見をいただくことになっておりますので、そういった意見も参考にしたいと考えております。
会長
窪田委員からも指摘があったように、環境問題では、広島県知事や周辺の市町と情報を交換することが非常に大事なことなので、その点は事務局の方でよろしくお願いします。
そろそろ終わりの時間が近づきました。今日いただいたご意見は、事務局で取りまとめて、委員の皆さんにお届けいたします。その時に、追加の意見等があれば書面で事務局に提出してください。
それでは、事務局から次回の予定をお願いします。
担当課長
大変ご熱心に、たくさんのご意見をいただきありがとうございました。
次回の予定については、今日の会議でたくさんのご意見をいただき、まだ、書面による意見もおありでしょうから、そういった意見の取りまとめ等もありますので、できれば5月末か6月初めくらいに開催させていただきたいと思います。具体的な日程については、皆さまのご予定を確認させていただいた上で、改めてご連絡させていただきます。
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