飽くなき努力と探求心で優れた製品・サービスを創出する 日本企業をクローズアップ 「花王アタック」編 第3回
「アタック」ユーザーが社長を交えて座談会この際なので、社長にもの申す!
洗濯洗剤の花王アタックの豪州版「BIOZET Attack」の人気の秘密に迫る集中連載を締めくくる第3回は、「BIOZET Attack」を使用しているというシドニー在住の主婦3人にお集まりいただきました。花王オーストラリアの青木社長を交え、「アタック」やシドニーでの洗濯についてざっくばらんなトークを展開する座談会を開催。話の中では、「アタック」や花王に対する要望も飛び出して…。(文中敬称略)
「溶け残らないものを選びました」
編集部
皆さんはここシドニーでも日本でおなじみの「アタック」のユーザーとのこと。まずは、ほかの洗剤から「アタック」に替えた理由をお聞かせください。
山本
洗濯物を干そうとすると服に洗剤が溶け残っていることが多かったんです。特にジーンズやダーク系の衣服に残った洗剤が目立ちました。そうするともう1度洗い直さないといけないんです。ほかに洗剤をいろいろと試した結果、たどり着いたのが「アタック」で、"これはいいな"と。ただし、私はもともとブランドには無頓着で、それが「花王アタック」とは知らずに使っていました(笑)。
フォールズチャーチのオークション
香取
来豪当初は、洗濯物の汚れ落ちを重視する主人の意見で、フランスでずっと使っていた某メーカーの洗剤をこちらでも使っていました。でもうちの場合も、すすぎの後に洗剤の泡が残っていることがよくありました。フロントローダー式洗濯機のフロント窓に泡が残っていることがあり、洗濯が終わってからもう1度すすぎをしていました。「アタック」に替えてからはそういうことはなくなりましたね。汚れ落ちに関しても、主人も私も満足しています。
それと私は、環境に優しいことも重視して洗剤を選びたかったので、「アタック」はその点についても合格ですね。ただし、リンが無使用ということだけでなく、パッケージ上面に書いてある「Biodegradable( 生物分解性の洗剤)」という表記も商品の前面に出した方がいいと思います。上面だと陳列棚で商品を選ぶ際に分かりませんので(笑)。
中島
私の場合は日本から何キロも持ってきたほどの「アタック」のコア・ユーザーなので(笑)、こちらの洗剤との違いは分かりませんが、1つ言えるのは香り。「あ、ご近所で洗濯物を干しているな」と分かるほど、こちらの洗剤は香りが強いですよね。その点「アタック」は乾いた時にほんのりと良い香りがする。その心が和むような香りに、ちょっと癒されたりして(笑)。
山本
あまりに香りが強いと、自分の付ける香水と香りがぶつかってしまうこともありますから。
気候変動領域は何ですか?
青木
皆さん「アタック」をとてもご愛用くださってるようで、ありがとうございます。ご指摘のように、こちらの洗剤が溶け残るという問題は消費者調査でも出てきた意見で、「BIOZETAttack」の商品開発の際はキーワードにもなりました。
日本だと「マイクロ・カプセル・テクノロジー」。英語では「Air Burst Technology」と言い直していますが、これは花王が開発し「アタック」に採用した、洗剤粒子の1粒1粒に空気を閉じこめるという独自技術のことで、粒子が水に触れた瞬間にポンッと弾けて溶けるので、溶け残り問題もありません。
それと、香りについてのご意見は今後の商品開発にとっても勉強になります。
「水が一番いいとは驚きです」
編集部
ちなみに皆さんは洗濯でどんな工夫をしていますか?
山本
お湯を使うことです。汚れ落ちに良いというイメージがあるので。
香取
私は前の洗剤がお湯を使うように薦めていたので、その時の洗濯機の設定のままでお湯を使っていたんです。でも最近、「アタック」のパッケージに熱いお湯は使わないように書いてあるのを見つけました。
青木
そうなんです。実は「アタック」は、通常の水道水の温度のままでお使いいただくのが、一番効果を発揮するように作られているのです。先ほど香取さんから無リン洗剤であることのお話がありました。リンは洗剤の洗浄力を高めるための成分とし使用されることがありますが、排水として過剰に流してしまうと、微生物の大量発生による赤潮などの原因ともなります。ですので「アタック」はリンを使わず、洗浄力の高い高活性バイオ酵素を開発し、配合しています。その酵素が最も効果的に働くのが20℃くらいの常温の水なのです。
編集部
リンが無使用なのに加え、お湯を使わずにすめばガス代や電気代が減って家計の助けにもなり、またCO2も減って地球にも優しいというわけですね。
山本
" caitlyn滝"メリーランド州
それはたいへん良いことを聞きました。今日から水を使うことにします。それにしても、水の方がいいということをもっと宣伝した方がいいですね。今まで全く気付きませんでしたので(笑)。
青木
そうですね。これは改善すべき点ですね。
「実は一番家計に優しい」
編集部
皆さん、ほかに何かご要望があれば、社長に直接お伝えするチャンスです。この際、遠慮なさらずどうぞ(笑)。
中島
それでは、ぜひお尋ねしたかったことが。若干お値段が高い気がするのですが(笑)。
青木
皆さん、こちらの洗剤は1キロあたりの単価が8〜10ドルのプレミアム・ブランドと、3〜4ドルのエコノミー・ブランドの2つのレンジがあるのをご存知ですか? 花王はこのプレミアム・ブランドの「OMO」「ラディアント」「コールドパワー」などを競合ブランドと考え、マーケティング活動を実施しています。
価格はこれらのブランドとほぼ同様なのですが、1回あたりの洗剤使用量を考えると、独自の洗剤粒子濃縮技術を採用している「アタック」は、たった40グラム使うだけでよく、実はプレミアム・レンジの中では最も家計に優しいのです。
香取
確かに「アタック」は1箱がなかなかなくならない感じがします。ただ、私の周りではスーパーの値札に表示されている1キロあたりの価格を比較して洗剤を選ぶ人が多いですね。でもそれだけでは、「アタック」が1回の使用量が少なくてお得だとは分かりません。
青木
パッケージの表示については現在、1箱で何回洗えるかを箱に表示するように業界が各メーカーにアドバイスしていますので、今年の年末ころからはどのメーカーも回数を表示したパッケージになる予定です。
今後のコンセプトは
「一緒にエコ」
編集部
それでは最後に、青木社長から皆さんにお聞きしたいことはありますか?
青木
それでは先ほどから話の中にちらほら出てきている環境のことについて。皆さんは、家事を通して環境問題についてどのようにお考えですか?
山本
先日、グレート・バリア・リーフで初めて体験し、スノーケリングの大ファンになったのですが、海の中を覗いてみて、この美しい自然を後世まで残していくことは、現代に生きる我々1人ひとりの義務なんだと思うようになりました。洗濯洗剤だけでなく、品物を選ぶ時は環境に良いものをと思います。海で泳ぐ魚は結局は私たちの口に入るわけで、それは私たちの命に関わることもあるわけですから。
中島
私も同感です。子どもが大人になった時にどうなっているんだろうと考えると怖いですよね。基本的には良い物は高いんだと思っています。適正な価格というのはあるべきだし、その製品を信頼して買いますので。価格以外にも環境のことはいつも気にしています。「アタック」の箱も今は折り目が入っていて、捨てる際に簡単に折り畳めますよね。日本の「アタック」のように、最近はこちらの「アタック」にも折り目があるのでいいですね。
香取
うちも環境派です。海水を汚さないために、キッチンでは油を流さず、食器洗剤も分解するものを使っています。その点、アタックは無リンで、洗濯物をきれいに見せる蛍光剤も入っていないので安心です。
青木
消費者調査では、環境に良い製品の中には基本性能が消費者の満足を充たさないものもあるという声もありますが、「アタック」の場合は環境にも配慮して、かつ洗濯物の汚れもしっかり落とします。無リンですので、洗濯排水をグレイ・ウォーターとして庭の水まきに使っても問題ありません。
環境についてお伺いしたのは、花王の今後の商品開発の参考にしたかったためです。花王は、消費者の皆さんと一緒になって環境問題に取り組める製品の開発こそが、これからの時代に大切だと考えています。我々の製品はご家庭で毎日のように使っていただくものです。だから、花王独自の技術を生かし、皆さんに使っていただく中でも環境に負荷を与えないような製品を作っていきたいと考えています。ですので、皆さんの環境意識の高さを確認できてとても安心しました。
今後も、皆さんの生活がより良いものになるよう、しっかりと貢献していきたいと思います。
編集部
皆さん、本日は貴重なご意見をどうもありがとうございました。
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