以下の情報は、出願公開日時点(2010年07月01日)のものです。
0001
本発明は、高透過率の超吸水性ポリマー組成物を含む吸収性物品に関する。
0002
吸収性物品などの物品は、人体から分泌または排泄される液体を含む様々な種類の液体を吸収するのに有用である。そのような物品の吸収性を向上させるために、吸収性物品には超吸水性ポリマー(Superabsorbent polymer:SAP)がよく使用される。SAPは一般的にポリマーベースであり、例えば粉末、顆粒、微小粒子、膜及び繊維などの様々な形態で利用可能である。そのようなSAPは、液体と接触したときにその構造内に液体を吸収して膨張する。一般的に、SAPは、物品内に浸入した液体を素早く吸収することができると共に、漏出を防ぐため及び液体の浸入後でも乾いた感触を提供するために吸収した液体を保持することができる。
0003
0004
0005
吸収性物品の性能を向上させるための努力が継続的になされており、特に流体飽和レベルが高い場合における吸収性物品の性能を向上させ、それにより漏出の発生を減少させること並びに装着感及び快適性を向上させることが行われている。このことは、吸収性物品の使用中に吸収性物品が液体の浸入を繰り返し受ける場合は特に重要である。吸収性物品のデザインにおける最近の試みは、吸収性構造体をより薄くかつより柔軟に作製するために、超吸収性材料の濃度を高めること及び繊維の量を少なくすることに概ね集中しているので、吸収性物品の性能向上はますます難しい問題となってきている。しかし、超吸収性材料の濃度を増加させることにより総吸収容量を増加させたとしても、そのような吸収性物品はそれでもやはり使用中� ��漏出し得る。そのような漏出は、一部には、低透過率及び利用可能な空隙容量の不足などの要因に起因して、物品の吸収性コア構成要素の吸上げ率(すなわち、超吸収性材料による吸収後に、吸収性コアが被吸収液体を吸収及び保持する率)が不十分であることが原因であり得る。そのため、高レベルの超吸収性材料を含有し、かつ十分な吸上げ率を維持することができる吸収性物品が求められている。
0006
加えて、十分な吸収性及び/または保持性などの他の特性を維持したままで、透過率を高めた超吸水性ポリマー材料も求められている。透過率は、多孔質構造体(繊維のマットまたは気泡のスラブ、この場合は架橋されたポリマーである)の有効連結性の単位であり、超吸水性ポリマー材料の空隙比及び連結程度を単位として特定することもできる。ゲル透過性は、粒子の集団の全体としての性質であり、粒径分布、粒子形状、及び開孔の連結性、膨潤ゲルの剛性率及び表面改質に関連する。具体的に言うと、超吸水性ポリマー材料の透過率は、液体が膨張粒子の集団をどのくらい素早く通過するかを表す量である。低透過率は、液体が超吸水性ポリマー材料を容易に通過できないことを示し(一般的にゲルブロッキングと呼ばれる)、液� ��の強制的流動(例えば、吸収性物品の使用中に2回目の尿を吸収するとき)は代替経路を通らなければならない(例えば、漏出)ことを示す。そのため、向上した透過率を示す吸収性物品が求められている。
0007
極薄で繊維含有量が少ないおむつの透過率を向上させる1つの方法は、超吸収性材料の架橋結合量を増加させることである。しかし、超吸水性ポリマーの架橋結合を増加させると、超吸水性ポリマーの吸収性及び保持性の値は望ましくない低いレベルに減少する。そのため、無負荷下で液体を保持する高吸収能力、圧力下で液体を保持する高吸収能力、及び/または向上したゲルベッド透過率を含む向上した適用性を示す超吸水性ポリマー組成物を提供することがさらに求められている。
0008
上述した要望に応えるために、本発明の吸収性物品は、トップシート、バックシート、及び、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収コアを備える。
0009
いくつかの態様では、前記吸収性コアは、超吸水性ポリマー及び表面添加物を含有する超吸水性ポリマー組成物を含む。前記超吸水性ポリマーは、(a)前記超吸水性ポリマーの総量に基づいて約55重量%ないし約99.9重量%の重合可能な不飽和の酸性基含有モノマーと、(b)前記重合可能な不飽和の酸性基含有モノマーの総量に基づいて、約0.001重量%ないし約5重量%の内部架橋剤とを含み、前記超吸水性ポリマーが、約25%を超える中和度を有し、前記要素(a)及び(b)が、重合化され超吸水性ポリマー粒子に製剤化され、前記表面添加物が、(i)前記超吸水性ポリマー組成物の総量に基づいて約0.001重量%ないし約5重量%の表面架橋剤と、(ii)前記超吸水性ポリマー組成物の総量に基づいて約� ��.01重量%ないし約2重量%の不水溶性の無機金属化合物と、(iii)前記超吸水性ポリマー組成物の総量に基づいて0重量%ないし約5重量%のポリマーコーティングとを含む。
0010
いくつかの態様では、前記吸収性物品における、トップシート、バックシート及び吸収性コアのうちの少なくとも1つは伸縮可能である。他の態様では、前記吸収性コアは、少なくとも30重量%、例えば約60重量%ないし約95重量%などの前記超吸水性ポリマー組成物を含む。さらなる他の態様では、前記吸収性コアは、綿毛をさらに含む。さらに別の態様では、前記吸収性コアは、界面活性剤をさらに含む。
0011
いくつかの態様では、前記吸収性コアは、複数の層から成る。いくつかの特定の態様では、前記複数の層のうちの少なくとも1つの層が、実質的に前記超吸水性ポリマー組成物のみから成り、前記複数の層のうちの少なくとも1つの別の層が、実質的に綿毛のみから成る。
0012
いくつかの態様では、前記吸収性物品は、パーソナルケア用吸収性物品、保健用/医療用吸収性物品、家庭用/産業用吸収性物品、またはスポーツ用/建設業用吸収性物品から選択される。
0013
いくつかの態様では、前記超吸水性ポリマー組成物は、熱処理される。いくつかの特定の態様では、前記超吸水性ポリマー組成物は、約150℃ないし約250℃の温度で熱処理される。
0014
いくつかの態様では、前記超吸水性ポリマー組成物は、遠心保持容量試験で測定された少なくとも約30g/gの遠心保持容量と、自由膨潤ゲルベッド透過率試験で測定された少なくとも約10ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過率とを有する。他の態様では、前記超吸水性ポリマー組成物は、遠心保持容量試験で測定された少なくとも約32g/gの遠心保持容量と、自由膨潤ゲルベッド透過率試験で測定された少なくとも約20ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過率とを有する。さらなる他の態様では、前記超吸水性ポリマー組成物は、遠心保持容量試験で測定された少なくとも約32g/gないし約40g/gの遠心保持容量と、自由膨潤ゲルベッド透過率試験で測定された少なくとも約40ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過率と� ��有する。
0015
いくつかの態様では、前記不水溶性無機金属化合物は、金属リン酸塩、チタンホウ酸塩、アルミニウムホウ酸塩、鉄ホウ酸塩、マグネシウムホウ酸塩、マンガンホウ酸塩、カルシウムホウ酸塩から選択される。他の態様では、前記金属リン酸塩は、アルミニウムリン酸塩である。さらなる他の態様では、前記無機金属化合物の粒子は、約2μm未満の質量中央粒径を有する。
0016
いくつかの態様では、前記ポリマーコーティングは、前記超吸水性ポリマー組成物の総量に基づいて約0.01重量%ないし約0.5重量%の熱可塑性ポリマーである。他の態様では、前記ポリマーコーティングは、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンアクリル酸コポリマー、スチレンコポリマー、エチレンアルキルメタクリル酸塩コポリマー、ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、または、それらの混合物及びコポリマーから選択される。さらなる他の態様では、前記ポリマーコーティングは、カチオン性ポリマーである。さらに別の態様では、前記ポリマーコーティングは、ポリビニルアミンであ� ��。さらなる別の態様では、前記ポリマーコーティングは、マレイン化ポリプロピレンとエチレンアクリル酸コポリマーとの混合物である。
0017
いくつかの態様では、前記超吸水性ポリマー組成物の少なくとも約40重量%が、約300μmないし約600μmの粒径を有する。他の態様では、前記超吸水性ポリマー組成物の少なくとも約50重量%が、約300μmないし約600μmの粒径を有する。
0018
いくつかの態様では、前記重合可能な不飽和の酸性基含有モノマーの少なくとも約50重量%の酸性基がカルボキシル基を含み、前記酸性基が少なくとも50モル%まで中和されており、前記内部架橋剤が、前記重合可能な不飽和の酸性基含有モノマーの総量に基づいて約0.2重量%ないし約3重量%含まれる。
0019
いくつかの態様では、前記不水溶性の無機金属化合物は、前記超吸水性ポリマー粒子の表面に懸濁液形態で塗布される。他の態様では、前記不水溶性の無機金属化合物は、前記超吸水性ポリマー粒子の表面に、乾燥形態で塗布される。
0020
ある態様では、吸収性コアを備える吸収性物品であって、前記吸収性コアが、超吸水性ポリマー粒子を含有する超吸水性ポリマー組成物を含み、前記超吸水性ポリマー粒子が、超吸水性ポリマー組成物の総量に基づいて約0.01重量%ないし約2重量%の、不水溶性金属リン酸塩または不水溶性金属ホウ酸塩から選択される無機金属化合物で表面処理された吸収性物品が提供される。
0021
いくつかの態様では、前記吸収性物品は、トップシート及びバックシートをさらに有し、前記吸収性コアが、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される。他の態様では、前記トップシート、前記バックシート及び前記吸収性コアのうちの少なくとも1つが伸縮可能である。
0022
いくつかの態様では、前記吸収性コアは、少なくとも約30重量%の前記超吸水性ポリマー組成物を含む。いくつかの特定の態様では、前記吸収性コアは、約60重量%ないし約95重量%の前記超吸水性ポリマー組成物を含む。
0023
いくつかの態様では、前記吸収性コアは、綿毛をさらに含む。他の態様では、前記吸収性コアは、界面活性剤をさらに含む。
0024
いくつかの態様では、前記吸収性コアは、複数の層から成る。いくつかの特定の態様では、前記複数の層のうちの少なくとも1つの層が、実質的に前記超吸水性ポリマー組成物のみから成り、前記複数の層のうちの少なくとも1つの別の層が、実質的に綿毛のみから成る。
0025
いくつかの態様では、前記吸収性物品は、パーソナルケア用吸収性物品、保健用/医療用吸収性物品、家庭用/産業用吸収性物品、またはスポーツ用/建設業用吸収性物品から選択される。
0026
いくつかの態様では、超吸水性ポリマー組成物は、遠心保持容量試験で測定された少なくとも約30g/gの遠心保持容量と、自由膨潤ゲルベッド透過率試験で測定された少なくとも約10ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過率とを有する。他の態様では、超吸水性ポリマー組成物は、遠心保持容量試験で測定された少なくとも約32g/gの遠心保持容量と、自由膨潤ゲルベッド透過率試験で測定された少なくとも約20ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過率とを有する。
0027
いくつかの態様では、前記不水溶性金属ホウ酸塩は、チタンホウ酸塩、アルミニウムホウ酸塩、鉄ホウ酸塩、マグネシウムホウ酸塩、マンガンホウ酸塩、カルシウムホウ酸塩から選択される。他の態様では、前記無機金属化合物の粒子は、約2μm未満の体積平均粒径を有する。
0028
いくつかの態様では、前記超吸水性ポリマー組成物の少なくとも約40重量%が、約300μmないし約600μmの粒径を有する。
0029
ある態様では、吸収性コアを備える吸収性物品であって、前記吸収性コアが超吸水性ポリマー組成物を含み、前記超吸水性ポリマー組成物が、(a)超吸水性ポリマー粒子を準備するステップと、(b)第1の無機金属塩を含有する第1の溶液を調製するステップと、(c)第2の無機金属塩を含有する第2の溶液を調製するステップと、(d)前記第1及び第2の溶液を前記超吸水性ポリマー粒子に塗布し、不水溶性無機金属塩の沈殿物を前記超吸水性ポリマー粒子の表面またはその近傍に直接的に形成するステップとを含む方法により調製された吸収性物品が提供される。
0030
いくつかの態様では、前記吸収性物品はトップシート及びバックシートをさらに備え、前記吸収性コアは前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される。
0031
いくつかの態様では、前記第1の無機金属塩には、アルミニウム、チタン、カルシウムまたは鉄から選択されるカチオンが含まれ、前記第2の無機金属塩には、リン酸塩、ホウ酸塩またはクロム酸塩から選択されるアニオンが含まれる。他の態様では、前記第1の無機金属塩は硫硫酸アルミニウムリン酸三ナトリウム14水和物(aluminum sulfate tetradecahydrate trisodium phosphate)であり、前記第2の無機金属塩はリン酸三ナトリウムである。
0032
本発明の様々な他の特徴及び利点が以下の説明から明らかになるであろう。以下の説明では、本発明の例示的な実施形態について説明する。そのような実施形態は、本発明の全範囲を表すものではない。それ故、本発明の全範囲を解釈するためには、特許請求の範囲を参照されたい。簡潔さ及び簡明さの理由から、本明細書に記載されているあらゆる数値範囲は、その範囲内の全ての値を含むことを意図するものであり、その範囲内の全ての実数値を末端値とする小範囲を記している特許請求の範囲をサポートするものと解釈される。具体的な例を挙げると、本明細書中における1から5という範囲の開示は、1−5;1−4;1−3;1−2;2−5;2−4;2−3;3−5;3−4;及び4−5の小範囲のいずれに対しても、特許請� ��の範囲をサポートすると考えられる。
0033
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0035
遠心保持容量試験(Centrifuge retention capacity Test:CRC)
0036
この試験は、ハイドロゲル形成ポリマーの自由膨潤容量を測定する。測定により求められた保持容量は、サンプル1重量グラム当たりに保持される液体のグラム数(g/g)で示される。この試験方法では、約300〜約600ミクロンの粒径画分を有する乾燥超吸水性ポリマー組成物粒子0.2000±0.0050gが、ティーバッグに入れられる。超吸水性ポリマー組成物粒子は、例えば、米国オハイオ州メンターにあるW.S.テイラー社(W. S. Tyler, Inc.)社から入手可能なRO-TAP機械式ふるい振とう器Model Bによって予めふるい分けされ得る。ふるい分けは、10分間行われる。米国コネティカット州ウィンザーロックスに本拠地を置くデクター社(Dexter Corporation, Windsor Locks, Connecticut, U.S.A.)から入手可能なモデル名称「1234T」ヒートシール可能なフィルタペーパーなどのティーバッグ材料が、ほとんどの用途に対して有用である。このバッグは、12.7cm×7.6cm(5インチ×3インチ)のバック材料サンプルを半分に折り、2ヶ所の開放端縁部を熱融着して6.4cm×7.6cm(2.5インチ×3インチ)の矩形の小袋を形成することによって作製される。熱融着は材料の端縁より約0.64cm(0.25インチ)内側にすべきである。小袋内にサンプルを入れた後、小袋の残りの開放端縁も熱融着される。対照としての役割を果す空の袋も作製される。ティーバッグを、食塩溶液(すなわち0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液)中に30分間浸漬させる(少なくとも、0.83リットルの食塩溶� �/1gのポリマー)。ティーバッグは、完全に湿潤されるまで確実に浸漬させる。その後、ティーバッグを、290Gの力(約286から約292Gまでのばらつきがある)で3分間遠心分離する。Gの力は、急速な加速または重力を受けた身体にかかる慣性力の単位と定義され、海面位で、9.8m/秒/秒(32フィート/秒/秒)と等しい。食塩溶液の吸収された量は、ティーバッグの重量を測定することにより求められる。超吸水性ポリマー組成物サンプルにより保持された溶液の量、すなわち超吸水性ポリマー組成物の遠心保持容量(CRC)は、ティーバッグ自体により保持された溶液を考慮に入れて、超吸水性ポリマー組成物1グラム当たりに保持される流体のグラム数として表される。より具体的には、保持容量は次の方 程式により求められる。
{(遠心分離後のサンプル/バッグ重量)−(遠心分離後の空のバッグ重量)−(乾燥サンプル重量)}÷(乾燥サンプル重量)
0038
水分の量は、次のようにして、「%水分」として計測される。
1)予め重さが計測されたアルミニウム製の計量皿に載置した4.5〜5.5gの超吸水性ポリマー組成物(superabsorbent polymer composition:SAP)の重さを正確に測定する。
2)SAP及び計量皿を、150℃に予加熱した熱標準的な実験室オーブンに約30分間入れる。
3)取り出し、計量皿及び内容物を再び測定する。
4)次の式を用いて、水分の割合を計算する。
%水分={((計量皿の重量+初期のSAPの重量)−(乾燥させたSAPと計量皿の重量)*100}/乾燥させたSAPの重量
0039
自由膨潤ゲルベッド透過率試験(Free swell gel bed permeability Test:FSGBP)
0040
本明細書中では、自由膨潤ゲルベッド透過率試験は、0psi膨潤圧力下での「ゲルベッド透過率(GBP)」試験とも呼ばれ、一般的に「自由膨潤」条件と呼ばれる条件下で、ゲル粒子(例えば、表面処理済み吸収性材料または表面処理前の超吸収性材料)の膨潤ベッドの透過率を測定するものである。「自由膨潤」という用語は、超吸水性ポリマー組成物粒子が、これから説明するように、試験溶液の吸収時に膨潤制限負荷を受けることなく膨潤できることを意味する。ゲルベッド透過率試験を行うのに適切な装置が図1、図2及び図3に示されており、全体的に500で示されている。試験装置528は、全体的に530で示されるサンプル容器、及び全体的に536で示されるプランジャーを含む。プランジャーは、その縦軸に下� ��きに穿孔された同心の円筒形孔を有するシャフト538と、シャフトの底部に位置するシャフトヘッド550とを備える。シャフト孔562は、約16mmの直径を有する。プランジャーヘッドは、接着などによってシャフトに取り付けられる。シャフト軸には12個の孔544が穿孔される。孔544は6.4mmの直径を有し、シャフト軸の周方向に90度ごとに3つ設けられる。シャフト538はレキサン(LEXAN)ロッド又は同等の材料から機械加工により作成され、約2.2cmの外径と、約16mmの内径を有する。
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0041
プランジャーヘッド550は、7個の孔から成る同心内側リング560と、14個の孔から成る同心外側リング554とを備える。各孔は約8.8mmの直径を有する。また、約16mmの直径を有する孔がシャフトと整列している。プランジャーヘッド550は、レキサン(LEXAN)ロッド又は同等の材料から機械加工により作成され、約16mmの高さと、円筒534内に嵌合され、円筒534内の壁との間隙が最小となるかつ自由に摺動できるような直径を有する。プランジャーヘッド550とシャフト538の合計高さは約8.25cmであり、シャフトの頂部でプランジャー536の所望の質量を得るように機械加工される。プランジャー536は、その最底部に、2軸方向にピンと張って取り付けられた、100メッシュ� ��ステンレス鋼布スクリーン564を備える。このスクリーンは、強固な接着をもたらす適切な溶剤を使用して、プランジャーヘッド550に取り付けられる。スクリーンの開口部分に余分な溶剤が流れ込んで、液体が連通するための開口部を減少させないように気をつけるべきである。米国カリフォルニア州グラナダに本拠地を置くIPS社(IPS Corporation)製のアクリル溶剤Weld-On 4が、適切な溶剤である。
0042
サンプル容器530は、シリンダ534及び400メッシュのステンレス鋼布スクリーン566を含む。スクリーン566は、シリンダ534の最底部に、2軸方向にピンと張って取り付けられる。このスクリーンは、強固な接着をもたらす適切な溶剤を用いてシリンダに取り付けられる。スクリーンの開口部分に余分な溶剤が流れ込んで、液体が連通するための開口部を減少させないように気をつけるべきである。米国カリフォルニア州グラナダに本拠地を置くIPS社(IPS Corporation)製のアクリル溶剤Weld-On 4が、適切な溶剤である。試験中は、ゲル粒子サンプル568(図2参照)はシリンダ534内のスクリーン566上に支持される。
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0043
シリンダ534は、透明なレキサン(LEXAN)ロッドまたは同等物を穿孔して作成されるか、あるいは、レキサンチューブ又は同等の材料を切断して作成され、内径は約6cm(例えば、断面積が28.27cm2)、壁厚は約0.5cm、高さは約7.95cmである。外径66mmの領域534aがシリンダ534の底部から31mm存在するように、シリンダ534の外径には段差部が機械加工される。領域543aの外径に適合するOリング540が、段差部の上部に配置される。
0044
環状重り548は、直径約2.2cmのカウンタボア孔と、1.3cmの深さを有し、シャフト538上で自由に摺動可能である。環状重りはまた、約16mmの貫通孔548aを有する。環状重り548は、ステンレス鋼から、または0.9重量パーセント塩化ナトリウム蒸留水溶液である試験溶液の存在下で耐腐食性を有する他の適切な材料から作製することができる。プランジャー536と環状重り548とを組み合わせた重量は、約596グラムに等しく、これは、約28.27cm2の面積を有するサンプル568に対して加えられる約0.3ポンド/平方インチ(psi)又は約20,700ダイン/cm2(2.07kPa)の圧力に対応する。
0045
後述するように試験中に試験装置に試験溶液を通過させる際は、図1に示すように、サンプル容器530はその全体が堰(weir)600上に載置される。堰の目的は、サンプル容器530の上部から溢れた液体を離れた収集機器601へ分流させることである。堰は、膨潤したサンプル568(図2)を通過した食塩溶液を収集するためのビーカー603が載置されたスケール602の上方に配置することができる。
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0046
「自由膨潤」条件下で「ゲルベッド透過率試験」を行うために、その上に重り548が載せられたプランジャー536を空のサンプル容器530に入れ、重り548の頂部からサンプル容器530の底部までの高さを、0.01mmの精度を有する適切なゲージを用いて測定する。測定中に厚さゲージが受ける力はできるだけ小さくすべきであり、75グラム未満であることが好ましい。複数の試験装置を用いる場合は、空の各サンプル容器530の高さを測定すると共に、どのプランジャー536及び重り548を用いたかを記録しておくことが重要である。飽和後に膨潤させたサンプル568を後ほど測定する際は、前回の測定時に使用したのと同じプランジャー536及び重り448を用いるべきである。また、サンプルカップ53� ��が載置される基部が水平であり、重り548の上面がサンプルカップ530の底面と平行であることも重要である。
0047